ノーベル平和賞の日本被団協・田中熙巳さん演説へ オスロでの授賞式
ノルウェー・オスロで12月10日にある日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞式で、代表委員の田中熙巳さん(92)=埼玉県新座市=が演説することが決まった。ノーベル委員会がウェブサイトで明らかにした。 田中さんは中学1年生のとき、長崎市で被爆。親族5人を亡くした。後には原水爆禁止運動に携わり、日本被団協が結成された1956年の第2回原水爆禁止世界大会も見届けた。東北大学で研究者として勤めながら、日本被団協の事務局長を延べ20年務め、2017年に代表委員に就任した。 田中さんは、オスロ市庁舎で現地時間午後1時~2時半(日本時間午後9時~10時半)にある授賞式に複数の被団協メンバーと出席する。ウェブサイトによると、式ではノーベル委員会のフリドネス委員長のスピーチもあり、田中さんに賞状とメダルが手渡される。 日本被団協は28日、受賞を受けて声明を発表した。声明では「今日まで一貫して核兵器の使用禁止、廃絶を求めて、自らの苦しい体験の証言を通して訴え続けてきた活動と被爆者一人ひとりの働きが高く評価された」「受賞を重く受け止めて、若い世代への継承を願いつつ、一層頑張ることを誓いたい」などとしている。(魚住あかり)
朝日新聞社