【インタビュー/女子プロゴルファー青木瀬令奈】ツアー後半への体・技・心。「優勝すること、メジャーに勝ちたいです」
「瀬令奈さん“サムライ”みたいです」と言われます(大西)
青木を間近で見守り続けているコーチ兼キャディの大西翔太。ゴルフの変化を次のように語る。 大西 フィジカルが強くなったことで、バリエーションが増えましたね。 例えば、スプーンに関しても6球くらい球種があって、高いドロー、低いドロー、高い球、低い球の真っすぐ、高いフェード、低いフェードと。 GD なるほど。では、前半戦で印象に残ったショットやプレーをひとつ挙げるとしたら……。 青木 5月のブリヂストンレディスです。トレーニング効果があの試合から急に出始めて、ショット全般が飛びだしました。飛ぶのはいいんですけど、(会場の袖ケ浦CCは)ドッグレッグが多くて、ショットが狙ったラインに飛んでもランアウトして林ばっかり。トラブルショットをめっちゃやった記憶です。(木の枝による)空中ハザードも多くて、木の横から回したり、上へ行ったりっていうショットの連続でその週はそういった技術がレベルアップしました。経験が積めたなと。ミスショットというより、自分の想定よりも明らかに飛んでいる。バンカー越えまで215ヤードとかだと、今までは迂回していたのが、迂回するとランアウトするわけです。 だから、実際にはバンカーの上を狙っていかなきゃいけないんですが、無意識に反応しちゃってバンカーを避けて結局、普通に林やないかい(笑)みたいなのがありましたね。
GD 飛距離が伸びてスコアメイクに苦しむ一方で、経験値にはなったと。“心”の面ではどうでしたか。 青木 結果は悪くなかったし、何より飛距離の面や球の勢いが変わったっていうのは、クラフトマンやトレーナー、コーチ含め、現場にいる皆さんに感じていただけていて、いいゴルフしているねと言われることが増えました。自分にとっても自信になっていますし、充実していますね。年々成長を実感し、『ゴルフが好き』という気持ちが増しています。 GD 一方で、青木プロといえば、昨年の平均パット数1位のパットの名手。今季はどうですか。 青木 3月は全然ダメでした。そういう意味では前半戦は自分の強みを生かせていなかったと思います。今は少しずつ良くなっている感じです。パターは試合とコンディションに合わせて替えていて、今季も10本くらい使い分けていますよ(笑)。今は『ホワイトホットOG』のセンターシャフトを使っていますが、実は今年の1月、沖縄合宿の飛行機移動でネックが曲がっちゃったんですよ。ダブルベントみたいな感じになってちょっとアップライト気味に。でも、いい味ついたなって感じで、逆に気合入っちゃいました(笑)。 大西 どんな状況でも、ポジティブで男気にあふれているんです。 GD まさに“瀬令奈の心”ですね! 最後に後半戦への意気込みをお聞かせください。 青木 飛距離については7月に入ってアジャストでき始めてスコアにつながっています。具体的にはドライバー以外の番手のティーアップ時にヘッドスピードを1m/s落とすとか、カットだったり、カットで短く握ってさらに飛距離を落とすなどの精度を詰めていきます。トレーニングのローテーションも確立してきたので、あとは優勝だけです。あと3つ残っているメジャーで勝ちたいです。 大西 青木プロは今、周囲から「武士みたい」って言われるんです。“覚悟”が決まった佇まいがそう感じさせるんですかね。 GD 確かに。“サムライ・セレナ”ですね。 PHOTO/Shinji Osawa THANKS/Friendship CC ※週刊ゴルフダイジェスト 2024年8月13日号 より
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