広島・末包3戦連続Hで打率・455 1軍昇格後絶好調! チームは深刻・竜投アレルギー
「広島0-4中日」(11日、マツダスタジアム) 広島は今季7度目の完封負けを喫し、勝率は5割に逆戻りとなった。「5番・左翼」で出場した末包昇大外野手(27)は二回に安打を放ち、1軍昇格後3試合連続安打をマーク。得点力不足に悩む打線の中で好調をキープした。12日はこれまで無得点に終わっている日曜の本拠地での一戦。若き主砲のバットで鯉党に白星を届ける。 【写真】打撃好調にも慢心なし コーチとタッチも笑顔はなし マツダのスコアボードに「0」が並んでいく。ホームが遠く、見せ場の少ない一戦。打線が沈黙する中、末包が存在感を放った。鋭いスイングと強烈な打球で球場のボルテージを高めてみせた。 「悪い方向に行かないようにはできている。あとは考えすぎず、シンプルにっていうのは心がけている」 二回だ。先頭・小園が柳からチーム初安打となる左前打を放つ。続く末包は初球を狙っていた。真ん中に入ってきた142キロを強振すると、打球は瞬く間に左前へ。「積極的に最初からいけたのは良かった」。得点には結び付かなかったが、3試合連続安打でチャンスを拡大した。 四回にはあと一伸びで今季1号かという当たりを飛ばした。2死一塁で追い込まれながらも、チェンジアップをうまくバットに乗せる。大砲らしい放物線を描いた飛球は中堅フェンス手前で岡林が捕球。スタジアムが大歓声からため息に変わる中、末包は悔しそうにベンチに戻ったが、待望の一発を予感させた。 8日に1軍昇格して以降、3試合で打率・455と絶好調。この日は2打席目以降に快音は響かず「あとの2打席は変化球でやられた。そこは次回以降の課題。安打の後も崩されないように」と反省も忘れなかった。 チームは柳の緩急自在の投球に手も足も出ず。前回4月5日の対戦に続き、7回2安打無失点の好投を許した。朝山打撃コーチは天敵になりつつある右腕を「低めの球にどうしても手が出てしまう。見極めるのが難しい」と分析。打てないのは柳だけではない。今季、マツダでの中日戦は計5戦。うち4戦で完封負けを喫しており“竜投アレルギー”は深刻だ。得点力不足に悩む打線に対し、新井監督は「そこはまた私が考えたい」と言葉少な。ファンももう同じような負け方を見たくはない。 「母の日」でもある12日は苦しい戦いが続いている日曜の本拠地戦だ。今季3試合を戦い、2敗1分けでいまだ得点0。「点を取らないことには勝てない。まずは仕事ができるように、しっかり切り替えてやっていきたい」と末包。主砲の役割を果たし、鯉党に勝利を届けてみせる。