チェジュ航空機事故で韓国警察が「日本によるテロ」と捜査?まとめサイトによるもの【ファクトチェック】
名前を使われた唐澤貴洋弁護士
「カラサワ・タカヒロ」とは、日本に実在する弁護士である唐澤貴洋氏の名前をかたったものだと思われる。唐澤弁護士は過去に担当した事案をきっかけに誹謗中傷や殺害予告を受けている。自身や所属事務所の名前が犯行予告に使われる被害にも遭っていて、それらの中には刑事事件として立件されたものもある(弁護士ドットコム、神戸新聞)。 唐澤弁護士は2025年1月1日に自身のXで「私の名前を勝手に利用した犯人がいます」「インターネット犯罪は国境を超えた非常に重要な課題です」などとする韓国語のポストを投稿した。
ファクトチェックによる検証も、一部サイトはタイトルを訂正
今回の検証対象については、日本のファクトチェック団体「リトマス」やジャーナリストの篠原修司氏が検証記事を公開している。リトマスは「チェジュ航空機の事故について、『日本によるテロの可能性』を韓国警察が捜査しているという事実は確認できない」、篠原氏も「5ちゃんねるのスレッドタイトルをまとめブログが改変」として、どちらも「誤り」と判定している。 検証対象の記事を配信したまとめサイトの1つ「おーるじゃんる」は、記事内に「『日本発のテロ予告』に捜査であり、予告メールが主張する『済州航空事故が自分たちの仕業...』に対する捜査ではないようです。恐らく可能性が0ではない以上、捜査がされるものと見なして拡大解釈的なタイトルが先行してしまいました。訂正してお詫び申し上げます」と掲載。記事のタイトルも「韓国警察が日本発のテロ予告に総力を上げて捜査開始 済州航空事故も自らの仕業だと主張」へ訂正した。
判定
「済州航空事故 韓国警察が日本によるテロの可能性があるとして総力を上げて捜査開始」は誤り。韓国法務部に爆破予告が届いた事件を警察が捜査しているとのニュースを切り取ったもので、チェジュ航空機炎上事故を日本によるテロとして捜査しているわけではない。
あとがき
日本ファクトチェックセンター(JFC)では、これまでにもまとめサイトから拡散した情報を多数検証し、その全てを「誤り」及び「不正確」と判定しています。 萩生田光一氏「裏金と統一教会ごときで何回処分する気だ!」と発言? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】 トランプ氏の当選確実で「ワクチン禁止法」と「向精神薬禁止法」が成立? まとめサイトによるもの 【ファクトチェック】 2025年1月から軽自動車の自賠責保険、修理費用が170%値上げ? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】 (この2本の記事は関連記事でご覧ください) まとめサイトから拡散する情報を一々検証しなくてもよいという意見もあります。しかし、まとめサイトによるセンセーショナルな見出しに感化され、誤・偽情報を拡散してしまう人が多く存在することは事実です。 JFCは不確かな情報が溢れる現代において信頼できる情報源の見分け方について解説しています。YouTube上で公開しているファクトチェック講座もご覧ください。 フェイクニュースと情報源 国の隠蔽やメディアの誤報もある中で信頼できるのは【JFCファクトチェック講座 理論編7】 (この記事は関連記事でご覧ください) 検証:リサーチチーム 編集:宮本聖二、古田大輔、野上英文 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。