【ダイヤモンドS回顧】人馬ともに復活のテーオーロイヤル 血統からも充実の6歳シーズンで高みを目指す
2年ぶり2勝目の意味
テーオーロイヤルが2年ぶりの勝利をダイヤモンドSで飾った。最後に勝ったのもダイヤモンドSであり、いかにもステイヤーらしい戦歴といえる。これに似たパターンにフェイムゲームがいる。14、15年連覇。その3年後に3勝目をあげたときのハンデ58.5kgはテーオーロイヤルと同じ。生粋のステイヤーは斤量など気にしない。序盤から淡々と自分のリズムで走り、自分のタイミングで動いて勝つ。周囲のペースに惑わされず、自分の得意条件で結果を残す。自然体な走りに思わずあこがれを抱きたくなる。こんな大人になりたい。ステイヤーには人生の理想がみえる。 【フェブラリーステークス2024 推奨馬】一線級相手に善戦、ダートは複勝率100%! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 2年前はその後、天皇賞(春)でタイトルホルダー、ディープボンドに次ぐ3着。もう1年、経験を重ねれば、いずれステイヤーのトップに立てる器のはずだった。だが、ジャパンC後に骨折が判明。休養は約1年に及び、充実の5歳の大半を空白で終えた。その終わり、アルゼンチン共和国杯を叩き、ステイヤーズS2着。やはりステイヤーは得意距離になれば、きっちり走る。 5歳シーズンをほぼ白紙で終えたということは、充実の6歳が待っている。母メイショウオウヒといえば、兄にパイロ産駒メイショウハリオがいる。帝王賞連覇は5、6歳時のことで、6歳シーズンはGⅠ級4戦で3、1、1、4、5着とピークを極めた。血統からも6歳充実説をあと押しする。そのサインがダイヤモンドSだ。当然、目標は天皇賞(春)。真のステイヤーは淀の坂越えなど気にしない。構えず、自然体で挑戦してほしい。 鞍上の菱田裕二騎手はテーオーロイヤルと同じく、昨年、左肩の脱臼で離脱を余儀なくされ、年末の復帰後、2勝目(JRA)で重賞タイトルをつかんだ。人馬ともにケガに苦しみながら、復活し、再び高みを目指す。そんな共通点も応援したくなる要素だ。 変幻自在のステイヤーはレースに無駄がない。序盤からサリエラの背後をとると、残りはそのまま動かない。目標が動くまでじっと待ち、サリエラをとり逃がさないよう立ち回り、併せ馬できっちり競り落とした。サリエラ以外には負けることはないだろう。もっといえば、併せられさえすれば、サリエラにも負けない。人馬からそんな自信を感じた。