午後3時のドルはじり安152円後半、日銀会合後に円買い戻し
Shinji Kitamura [東京 31日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の152円後半で取引されている。日銀は現行政策の維持を市場予想通り決めたが、ドルはしばらく売買が交錯した後、持ち高調整と見られる売りに押された。 きょう正午前、日銀が政策の現状維持を発表した直後、153円前半を推移していたドルは、いったん153円半ばへ上昇した後、153円前半へ急反落する慌ただしい動きとなった。 予想通りの結果にもかかわらず、ドルが上下したのは「25年度の消費者物価指数(CPI)見通しを小幅下方修正したことが、円売りにつながった可能性がある。だが全体的なスタンスは変わらっておらず、ハト派的なメッセージを想定していた向きが円を買い戻したのだろう」(りそなホールディングス・シニアストラテジスト の井口慶一氏)という。 その後はしばらく売買が交錯したが、午後に入ると再びドル売りが強まり、152円後半へ下げ幅を広げた。日銀の声明や展望リポートに特段の手掛かりはなかったが「今月は10円超の円安が進んでおり、いったん材料出尽くしだろう」(FX会社のアナリスト)と、持ち高調整的な売りを指摘する声が聞かれた。 ドル/円がじり安となった午後は、対ドル以外でも円が底堅くなった。小売売上高が予想を下回ったオーストラリアドルが100円後半から前半へ下落したほか、前日海外で売られたポンドも197円後半へ一段安となった。 英国では30日に政府が発表した予算案に関連し、予算責任局(OBR)が5年後の政府支出が現在より年間700億ポンド増加するとの予測を公表したことを受けて、国債と通貨がともに売られた。 市場では、この後に行われる植田和男総裁の記者会見に関心が寄せられている。最近の円安に対する見解に加え、先に米国で行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の会見でも言及した「時間的余裕」との表現を繰り返すかがポイントになるという。 ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円 午後3時現在 152.83/152.85 1.0851/1.0852 165.85/165.88 午前9時現在 153.24/153.25 1.0858/1.0859 166.39/166.41 NY午後5時 153.42/153.43 1.0855/1.0856 166.54/166.57