日常を積み重ねた先でたどり着いた指導スタイル。鹿島アントラーズユース・柳沢敦監督が若鹿たちに注ぎ込む情熱の行方 高円宮杯プレミアリーグEAST 鹿島アントラーズユース×前橋育英高校マッチレビュー
「その飛躍を見られた時が本当に嬉しい瞬間でしょうね。今も我慢して、我慢して、努力を積み重ねている選手がいるので、そういう選手には試合に出て活躍して、さらに自信を付けて、次の試合もまた活躍できるように頑張ってほしいなと思います。もちろんみんなに頑張ってほしいですけど、まだまだそれぞれ波があるので(笑)、全員をそういうふうに持っていけたら最高ですね」。そう話して浮かべた笑顔に、指導者としての、また人としての在り方が滲んだ気がした。
今季のプレミアも残りは2試合。次節は3位の横浜FCユースとの上位対決が控えており、その試合に勝ったうえで、2位の柏レイソルU-18が引き分け以下に終われば、鹿島ユースの6年ぶりとなるプレミアEAST制覇が決定する。そんな条件は百も承知。だが、指揮官のマインドにはいさかかのブレもない。
「もう一戦一戦全部勝つしかないと思っていますし、まずは次の横浜FCさんとの一戦が大事なので、そこを勝ったらその次というイメージで、まず考えるべきは目の前の試合ですね。その試合に向けた準備という部分で、結局はトレーニングがすべて試合のピッチに繋がっていくので、いつも『今日の練習でできることを大事にしましょう』と選手には伝えています。すべてはそれの積み重ねですから」
目の前の日常を積み重ねることで、ワールドカップのピッチを踏みしめるまでのキャリアを築いた努力の人。柳沢監督が惜しみなく注ぎ込んでいく溢れんばかりの情熱は、未来のクラブを担うべき若鹿たちが携えている『鹿島のDNA』に、間違いなく刻み込まれている。
土屋 雅史
【関連記事】
- 3連勝 VS 4連勝の首位攻防戦!鹿虎相打つ北関東ダービーセカンドラウンド! 鹿島アントラーズユース×前橋育英高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第20節】
- 伝統の背番号5を託されたディフェンスリーダー。市立船橋高校・岡部タリクカナイ颯斗が秘めている底知れないポテンシャル 【NEXT TEENS FILE.】
- 恩師と共闘する若き指揮官は「丁寧な人」。大津高校・山城朋大監督が「4年目の終わり」と「5年目の始まり」に書き記したい未来予想図 高円宮杯プレミアリーグWEST 東福岡高校×大津高校マッチレビュー
- 半年ぶりのゴールに滲ませた「レイソルの10番」の矜持。柏レイソルU-18・戸田晶斗が“最後の2か月”で期すのは支えてくれたみんなへの恩返し【NEXT TEENS FILE.】
- 残留を懸けたサバイバルマッチ!11位対9位のシックスポインター! 市立船橋高校×尚志高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグ EAST 第19節】