日常を積み重ねた先でたどり着いた指導スタイル。鹿島アントラーズユース・柳沢敦監督が若鹿たちに注ぎ込む情熱の行方 高円宮杯プレミアリーグEAST 鹿島アントラーズユース×前橋育英高校マッチレビュー
「実は選手もそういうところを見ていますし、そういう姿を見ていると『頑張らなきゃ』という気持ちになってくれることもわかってきたので、それが見せかけではなくて、本当にみんなと向き合って、みんなと一緒に試合を戦っているという姿をしっかり見せることができれば、選手たちはそれに付いてきてくれるのかなと信じています」
今年で指導者の道に足を踏み入れて10年目。さまざまな指導者やさまざまな選手と濃厚な時間を共有してきた中で、たどり着いたのが今の『一緒に戦う』というスタイル。日々のトレーニングから高校生たちと真摯に向き合っている。
もちろん選手たちも、指揮官に対しては大きなリスペクトを払っている。「ヤナさんは一流の選手だったので、吸収する部分が本当に多いですし、フォワードの動き出しや受け方は勉強になっていて、そこはより意識するようになりました。普通はヤナさんに教われるなんてありえないことですし、ここのユースじゃなければ経験できないことなので、それは本当にありがたいと思っています」と話すのは、今季からユースに加入した吉田。キャプテンの佐藤海宏も「ヤナさんは自分からしても特別な人ですけど、『何か悩んでいることがあったら聞くぞ』と言ってくれますし、ちょっとイジってくれたりもするので(笑)、オープンにしてくれている分、良い関係性が築けているのかなと思います」と語るあたりからも、選手との良好な距離感が窺える。
コーチとして2年。監督として4年。高校年代の指導を続けてきたことで、見えてきたものがあるという。「やっぱり練習の中で受ける刺激の積み重ねの先に試合があって、そこでさらに大きく成長することもあるわけで、普段の積み重ねがない状態でいきなり試合にポンと出て活躍しても、本当に獲得できたものが多くないと、長くは続かないですよね。普段の厳しい練習の中で苦労しながら、自分で努力して積み重ねたものが、もちろん出る時もあれば、出ない時もありますけど、それも試合の中で学んでいくことで、ある時にグッと飛躍する時が来るんじゃないかなと思うんです」
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