「1億円貯めたら会社員を辞めるのも怖くない」と思いきや…経験者が語る、FIREするために乗り越えなくてはならない「お金以外の壁」
「目標額を達成したら、1日でも早く会社を辞めてFIREしたい」と思うかもしれませんが、実際にFIREの実行を前にすると、お金の準備ができただけでは拭えない「不安」にかられるといいます。本記事では、実際にFIREを達成した寺澤伸洋氏による著書『ぶっちゃけFIRE 手取り25万円で子育てしながら1億円ためる方法教えます』(主婦と生活社)より一部を抜粋して、自身が事前にしておいて良かったと語る「脳内シミュレーション」についてご紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
実際のFIRE前に“脳内でお試し”をした理由
会社を辞めてFIREするということは、自分の好きなことで収入を得ながら生きていくということです。とはいえその収入が上手く入ってこなければ、貯蓄を目減りさせながら生活していくしかありません。 それまで貯蓄を右肩上がりで増やしてきた僕にとって、資産が減っていく生活というのは未経験です。ですから、そのときにどのような心境になるのかは一度経験をしておいたほうがいいと考え、FIREする半年前くらいに一旦脳内をFIREしている状態に切り替えてみました。 この「脳内をFIREしている状態に切り替える」とは、具体的には「会社からの給与収入が一切なくなると思い込んでみる」ということです。もちろん脳内の話なので仕事をしながらですし、給与も支払われますし、時間の自由があるわけでもないのですが、一番大事なポイントである「お金の考え方」についてどう変わるのか試してみたかったのです。 これはもちろん単なるシミュレーションに過ぎませんが、それでも自分の気持ちに大きな変化が表れたのです。 脳内FIREをしてみてわかったことは、お金が減るのは苦しいということでした。友だちと食事に行ってお金を払ったときですら、自分がこれから生きていくのに必要な種(たね)銭(せん)を削っている感覚を受けて、お金を使うことになんとも言いようのないモヤモヤを感じたのです。 友だちと楽しい時間を過ごしたり、食事に行ったりしたらお金がかかる。それは当たり前のことですし、もちろん頭では理解していたのですが、給与収入が一切ない状態でお金をバンバン払えるかというと、そのときは心がついてこなかったのです。 こうして、この脳内FIRE期間の結論として「自分の好きなことにお金を使うたびにこんな気持ちになるくらいなら、会社で働いて一定の収入があったほうがよっぽど精神的にいいし、人生がより前向きになる」と考えて、一旦FIREについて保留し、あらためてどのように生きていくかを考える期間にしたのです。
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