金王手の藤波朱理 須崎ら敗戦も教訓「簡単にいかないと身に染みて感じた」左肘狙いも想定内
「パリ五輪・レスリング女子53キロ級・準決勝」(7日、シャンドマルズ・アリーナ) 【写真】「息も切れてない」藤波朱理の衝撃的な姿 五輪初出場の藤波朱理は、東京五輪の銀メダリストで中国・龐倩玉と対戦。10-0の圧勝で決勝に進出した。 開始1分30秒でバックを取り、2点を先取。組み手争いで圧力をかけると、2分10秒で相手を崩して再びバックを取り2点を追加した。タックルで崩し、次々と2点を追加。相手に何もさせず公式戦136勝となった。 圧倒的な強さを示した藤波に、一切の隙はない。前日までに須崎、尾崎ら女子の金メダル候補が敗れた。「改めて簡単にいかないと身に染みて感じた」とし、「明日すべてをかけて戦う」と力を込めた。 3月に左肘を脱臼&靱帯断裂の重傷を負って手術を受けた。左肘にはサポーターを装着しているがお守りとして身に着けているとし「痛みははないがずっと着けて練習していたので」と明かした。相手が左肘を狙ってくる場面もあるが、「相手が狙ってくるのはわかっていたので、その対策はしていた」と藤波。悲願の金メダルへ、8日の大一番に臨む。 ◆藤波 朱理(ふじなみ・あかり)2003年11月11日、三重県四日市市出身。レスリング指導者の父俊一さんの影響で4歳から競技を始めた。三重・いなべ総合学園高から日体大に進学。中学2年時の17年9月から公式戦無敗。世界選手権は21年大会に初出場し優勝。家族は両親、兄は17年世界選手権銅メダルの勇飛。趣味はおいしいものを食べること。164センチ。