侍ジャパン・藤平尚真、大勢の3連投代わりに熱投締め 井端監督「自信を持って出している。信じて見ていました」プレミア12・キューバ戦
◇17日 「ラグザス presents 第3回 プレミア12」 1次リーグ 日本7―6キューバ(台湾・天母) 日本がキューバに競り勝ち、開幕4連勝でB組1位が確定し、21日から東京ドームで始まる2次リーグ進出が決まった。 2次リーグ進出を決めるアウトを奪うと、マウンド上の背番号46が渾身(こんしん)のガッツポーズとともに、雄たけびをあげた。 1点リードの9回、最後のマウンドを託されたのは藤平尚真投手(楽天)。10日の強化試合・チェコ戦で侍デビューすると、初戦のオーストラリア戦、韓国戦と圧巻の9者連続三振。勢いに乗っていたが、1死から連打と死球で満塁のピンチを背負った。それでも最後は2者連続三振で、リードを守り切った。 魂の24球だった。雨が強く振る中でのマウンド。ボールが滑り、足元もぬかるむ。それでも、必死に投げた。1死満塁でメジャーリーガーのモンカダに、最後は魂のこもったストレートをインハイに投げ込み見逃し三振を奪うと、2死満塁でのコスメには、抜けないように細心の注意を払い、最高のところにフォークを落とした。バットが空を切った瞬間、日本の1次リーグ突破が決まった。 「今日は最後を託していた。ピンチも招いたが、強気のピッチングを見せてくれ、非常にいいピッチングだった。9回に出したピッチャーは自信を持って出している。信じて見ていました」。井端監督は藤平を信じ抜いた。そして、最高のピッチングをたたえた。 横浜高からドラフト1位でプロ入りも、つらい時代が長かった。8年目の今季、楽天で中継ぎの柱として活躍、キャリアハイの47登板を果たした。そんな姿を、指揮官はしっかり見ていた。井端監督が藤平の代表入りを強く推した。そして8年目で初のトップチーム入りをした右腕が、初戦のオーストラリア戦と2戦目の韓国戦は2試合で6人全員から三振を奪う投球を見せ、この日は2連投していた大勢の代わりに守護神を託していた。 「緊迫した場面で投げると思う。中継ぎになって、気持ちをしっかり持って誰よりも抑えるぞというのはある。そこは変えずにやっていきたい」と話していた藤平。まさに緊迫の場面で最高のピッチングを見せた。
中日スポーツ