「何で俺だけ年金が半分に減ってるんだ?」年金「月16万円」受給していた70歳・男性、通帳見せ合いっこで判明した「50万円の壁」に落胆のワケ
なぜ、ソラヲさんは年金が停止されたのか?
日本の年金制度には、一定額以上の賃金をもらっている60歳以上の厚生年金受給者を対象に、当該老齢厚生年金の一部または全部の支給を停止する仕組みがあります。これを「在職老齢年金」といいます。「在職老齢年金制度」は2022年(令和2年)に改正されました。 2022年4月から、給与をもらいながら年金を受給している人(厚生年金の被保険者および70歳以上の使用される人)は、(賃金+年金)の合計額が50万円(令和6年度)を上回る場合、賃金に対し、年金が停止されます。 ここでいう賃金は、「標準報酬月額(厚生年金保険法第20条)」+「標準賞与額(厚生年金保険法第24条の4)/12」のことを指します。ウミヲさんソラヲさんのように70歳以降の場合には、「標準報酬月額に相当する額」+「標準賞与額に相当する額/12」となります。 また、ここでいう年金は、加給年金額、繰下げ加算額及び経過的加算額を除いた老齢厚生年金のことを指します。老齢基礎年金は含まれません。 つまり、ソラヲさんは賃金と厚生年金を合わせて50万円を超えたため、年金が停止されていたのです。ウミヲさんは賃金と年金を合わせて50万円を超えていないため、年金を受給しています。 ※70歳未満であっても、給与をもらいながら年金を受給している、厚生年金の加入者は本制度の対象となります
65歳のときのソラヲさんの年金は総額「月16万円」
ソラヲさんの年金受給が始まった65歳のときを振り返ってみましょう。ソラヲさんは65歳のときに、国民年金と厚生年金を合わせて「月16万円」受け取っていました。 その後、ソラヲさんの頑張りと物価高による賃金の目減りへの対応で給与はアップ。結果、賃金と厚生年金の合計が50万円を超え、厚生年金の受給は停止。 ソラヲさんが70歳(2024年に71歳を迎える予定)で手にする年金は、国民年金の6万7,808円(令和6年4月分からの、昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額)のみとなっため「年金が半分以下になっている!」とビックリしたのです。 ソラヲ「そんな制度があるなんて全然知らなかったよ」ウミヲ「見落としがちだよね」ソラヲ「頑張って働いた結果、給与がアップして年金が半分以下になったのはショックだが、後悔はない。この年になっても、こうしてお前と一緒に働けているなんて、俺たちは幸せ者だよな」ウミヲ「そうだね。75歳になってもお互い身体が元気だったら、一緒に南の島に移住してのんびりしようよ」ソラヲ「それ最高だな!」 年金の制度は複雑です。加入期間や年齢などによって適用されるルールはまさに千差万別。分からないことがある人は、「ねんきんダイヤル」に電話したり、お近くの年金事務所の窓口に足を運んだりして積極的に相談しましょう。 (参考: 年金制度の仕組みと考え方|厚生労働省 ) ※登場するキャラクターは架空の人物です THE GOLOD ONLINE 編集部
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