【やってはいけない日焼け対策】「SPFの強い日焼け止めを毎日使う」「日焼け後にアロエでケア」「去年の日焼け止めを使う」 医師が“焼かない”ための注意点を解説
去年の日焼け止めを使うのはNG
たとえ去年の日焼け止めが残っていても、もったいないから…と、今年も使うのは厳禁。日焼け止めの使用期限は基本的に、開封後1年程度とされている。 「開封した瞬間から水分やアルコールの蒸発が始まって成分が酸化することで劣化し、肌へのダメージが増える恐れもあります。そもそも、紫外線対策は毎日しなければいけないもの。1年前の日焼け止めを使い切れていない時点で、対策ができていない証拠です」 肌以外の日焼け対策も、間違った方法で行うと逆効果になる。最近は髪専用をうたったスプレータイプの日焼け止めも売られているがやはり添加物が多く、使い続けると髪を傷める可能性がある。 「髪の紫外線対策には、髪をまとめて帽子をかぶり、できるだけ日光に当たる面積を減らしてください。アームカバーはUV加工をうたっている薄手のものより、厚みがあり色の濃いものの方が効果的ですが、熱中症になりやすいため、注意して使ってほしい。加えて目の紫外線対策にはサングラスを。UVカットのコンタクトレンズもありますが、効果は“ないよりはマシ”程度なので、過信しすぎないように」
「保湿」より先に「冷たいシャワー」を
どれだけ気を使っても、うっかり日焼けしてしまうことはある。それでも、正しいアフターケアを知れば、リカバリーは充分に可能だ。 「もっとも大切なのは、冷却と保湿。日焼けによる炎症はやけどと同じです。うっかり日焼けしてしまったらすぐに冷たいタオルやシャワーで冷やし、炎症がそれ以上広がるのを防ぐのが先決です。ただし、皮膚に直接貼るタイプの冷却シートは、弱った肌にさらなる刺激を与えるため、絶対に使わないでください」(西嶌さん) 冷感タイプの化粧水やスプレーも、日焼け直後は使用すべきではない。クールダウンできるどころか、そうした商品にはアルコールや刺激のある添加物が使われていることが多く、これが肌の炎症を悪化させる。 かといって“天然由来”のケアはもはや時代遅れ。よく「日焼けを落ち着かせるにはアロエが効く」などといわれるが、これは薬や化粧品が手に入りにくかった頃の“応急処置”に過ぎないと、柴さんは言う。 「接触性皮膚炎やアレルギーの原因になるので、日焼け後の肌に植物や食べ物をつけるのは絶対にやめてください。特に生のアロエには肉眼では見えないトゲがたくさんあるので、皮膚を傷つけることになります。“敏感肌用化粧品”“オーガニック化粧品”も、成分によってはかえって肌のダメージを悪化させる恐れがある。 日焼けしたからといって新しい化粧品を買うようなことはせず、ひどければ皮膚科を受診し、薬以外は何も塗らないのがいちばんのケアになります」(柴さん) ◆今年こそ焼かない! 「効果的な日焼け止め」チェックリスト □信頼のおけるメーカーのもので、安価すぎない □スプレー、ジェル、スティック、パウダータイプではない □石けんで落とせる □紫外線吸収剤は不使用で、紫外線散乱剤を使っている □SPF30、PA+++程度