世帯分離すれば、給付金が増えたり、健康保険料が減ったりするみたいだけれど、本当に受け付けてもらえるの?
世帯分離を検討する3つのケース
では、次にどのような方が世帯分離を検討すべきかのイメージをつかむために、以下の3つのケースを見てみましょう。 <ケース1>住民税非課税世帯であるが、複数いる子どものうち1人が就職したケース このケースでは、就職した子は給料をもらうことになり、何も手続きしなければ子に住民税がかかるため、大学の実質無償化や主に低所得世帯向けの給付金の条件である「住民税非課税世帯であること」を満たさなくなってしまいます。 そこで、就職した子と世帯を分けることで、それ以外の子が大学無償化の制度を受けたり、各種の給付金を受けたりできるようになります。 しかし一方で、就職した子の健康保険に入れない、子が会社の扶養手当や所得税・住民税の扶養控除を受けられなくなる、などのデメリットがあるため、慎重な比較検討が必要です。 <ケース2>同居していた子どもが結婚し、家を二世帯住宅に建て替えた このケースでは、子どもは結婚して独立した家庭を営み、また親も子とは同じ建物内でありながら分離した空間に住むことになります。 電気・ガスを別契約にするなど、家計を完全に別にすることで世帯を分離できれば、健康保険料や介護保険料、高額療養費の計算根拠となる世帯年収が下がり、分離した一方の世帯の社会保険料や医療費を下げることができます。 ただし、<ケース1>と同様のデメリットがある上、分離した双方の世帯年収に大きな違いがないと、メリットが出ない可能性があります。 <ケース3>同居している祖父が倒れ、急きょ介護が必要になった 要介護者を抱えるすべての方に当てはまるケースではありませんが、たとえば、同居人に介護をする金銭的、または時間的な余裕がなく、祖父の介護に長い時間を要し、かつ高額な費用がかかる場合です。 もし世帯を分離すれば、生活保護申請の道が開ける、(同一世帯の全員が住民税非課税、が要件である)年金生活者支援給付金など各種給付金を受けられる、介護サービスを受けた際の自己負担額が減る、などのメリットがあります。