私は魚道を造った人 ~TOYOTA GAZOO RacingとHaas F1 Teamの業務提携~
渓流釣りの経験はありますか? 大自然の深山に分け入り、清流にラインを流して渓流魚を釣る。 代表的な渓流魚の岩魚であるアマゴ、ヤマメは秋に産卵して春にかけて成長する。そのため資源保護を目的に主な渓流は、9月末くらいから翌年の3月末まで禁漁、つまり釣りは禁止されている。しかし、その期間でも地域によっては特別に解禁されることもあり、全国各地の太公望たちが当地へ押し寄せている。渓流魚は、秋が近づくと産卵のために上流や支流へ遡上。孵化した稚魚は流れによって下流へ、一部のヤマメは海まで下って栄養を沢山蓄えて再び春に川へ帰ってくる。これが桜鱒。鮎や鮭の自然遡上は有名ですよね。 しかし、すべての渓流魚が産卵のための遡上、成長してからの遡上を難なく行えている訳でははい。人間によって造られた堰堤やダム、堰によって遡上が困難になっている場合がある。それを防ぎ、魚たちが行き来できるように造った川の中の道が魚道(ぎょどう)だ。
先週の話です。 TOYOTA GAZOO Racingの記者会見が急遽、富士スピードウェイ脇の富士モータースポーツフォレストウェルカムセンターで行われた。そこで発表されたのは、TOYOTA GAZOO RacingとHaas F1 Teamが業務提携に合意したというもの。GAZOO Racing Companyの高橋智也プレジデントから「私たちTOYOTA GAZOO Racingは、MoneyGram Haas F1 Teamと若手ドライバーなどの人材育成およびMoneyGram Haas F1 Teamの車両開発分野における業務提携に合意しました」と説明された。そして、続いて登壇したモリゾウこと豊田章男トヨタ自動車代表取締役会長が若手ドライバーの人材育成について言及。いきなり「私はF1をやめた人」と。トヨタはコンストラクターチームとして2002年から2009年までF1に参戦していた。そして、「今回の発表は、トヨタのF1復帰ではない」とも。しかし、2009年を最後にF1から撤退したことによってモリゾウ氏の周りにいる若者たちの世界一速いクルマに乗る筋道を閉ざしてしまったという気持ちがあった。「F1ドライバーになることを夢見てレーシングカートで走っている全国の子供たち、まずは、国内トップフォーミュラであるスーパーフォーミュラの誰かが世界一速いF1に乗る日を実現したい」と語った。