NYタイムズ紙が山口市を「2024年に行くべき52カ所」に選出! 価格が高騰する前に知っておきたい山口の中古マンション事情
東京都の人が山口県にマンションを買うなら平均年収の3.65倍!
不動産データバンクの東京カンテイでは、全国の都道府県の中古マンションが、その都道府県の平均年収の何倍で買えるのかという年収倍率を調査しているが、その結果が下のグラフだ。 都道府県別の年収倍率 2022年の築10年中古マンションの全国平均の倍率は7.27倍だが、山口県は5.07倍となっている。東京都は14.49倍だから、格段に買いやすくなっている。 しかも、これは山口県の平均年収が416万円で、山口県の平均価格2108万円の中古マンションを買う場合の年収倍率であり、東京都の平均年収は578万円だから、東京都に勤める人が、山口県のマンションを買うとすれば、2108万円÷578万円で、年収倍率は3.65倍に低下する。
山口県内にある多彩な都市の中古マンション価格例
しかし、ニューヨーク・タイムズ紙で取り上げられ、世界的に注目度が高まれば、内外から観光客が押しかけ、山口県の中古マンションが買われるようになって、年収倍率3倍台では買えなくなってしまうかもしれない。 居住するにしても、リゾート、別荘として活用するにしても、あるいは賃貸で運用するにしても、購入するのであれば早めに買っておいたほうが得策かもしれない。自身でリゾートとして利用するために購入、利用しないときには、民泊で運用するといった手もある。 それも、山口県には、山口市だけではなく、魅力的な都市が少なくない。錦帯橋で知られる岩国市、コンビナートの夜景が映えると若い人たちの間でも人気が高まっている周南市、フグなどの魚介で知られる下関市などもあり、中古マンション価格も異なっている。 中古マンションの価格は、岩国市は2000万円台だが、山口市は1400万円台で、下関市などは1000万円台の前半で手に入れることができる。予算に応じて、お気に入りのエリアで取得することができそうだ。 参考:アットホーム「山口市の中古マンション価格相場を調べる」
ニューヨーク・タイムズ紙が山口市を取り上げた理由は?
ところで、ニューヨーク・タイムズ紙が「2024年に行くべき52カ所」の3位に山口市を取り上げた理由をみてみると、古くから「西の京」と呼ばれ、観光公害に悩まされることが少ない、コンパクトシティーであることが大きな魅力とされている。 現在、各地の観光地では、内外からの観光客の急増によるオーバーツーリズムが問題になっているが、山口市は大都市圏から離れていることもあって、コロナ禍の終息によってインバウンド客が回復しても、比較的静かな環境を維持できているのが、評価の要因にもなっているようだ。 山口市の観光の代名詞は国宝瑠璃光寺の五重塔 山口市の観光の代名詞ともいうべき、国宝瑠璃光寺の五重塔は、西の京としての歴史的な文化を感じさせてくれる場所であり、わが国最古の五重塔である法隆寺五重塔、豊臣秀吉の醍醐の花見で知られる醍醐寺の五重塔と並ぶ、三名塔のひとつとされている。 戦国大名の大内氏が京をまねた街づくりを行い、大内文化をいまに伝えるのが瑠璃光寺の五重塔だ。 ただ、五重塔としては珍しい檜皮葺き(ひわだぶき)の屋根を後世に引き継ぐため、2024年5月現在、国宝瑠璃光寺の五重塔は、約70年ぶりの全面葺き替え工事の作業中でシートでおおわれている。生の五重塔は見ることができないが、その分、葺き替え工事中ならではの景観があり、特別デザインのシートが印象に残るのではないだろうか。 800年の歴史がある湯田温泉が山口市の中心部に 瑠璃光寺五重塔の檜皮葺き屋根の改修工事は2026年3月末の完成予定だが、そのほか、市内にはさまざまな歴史的建造物などが残っている。五重塔ゆかりの大内氏を継いで戦国大名の雄となった毛利元就の菩提寺として知られるのが洞春寺。山門と境内にある観音堂は国の重要文化財に指定されており、座禅体験ができるほか、敷地内の工房では陶芸体験もできるようになっている。 また、「西の京」といわれるだけあって、京都の祇園祭を山口市に持ち込んだ「山口祇園祭り」は、およそ600年の伝統を持ち、毎年7月20日には、八坂神社で鷺(さぎ)の舞が奉納され、多くの観光客で賑わう。 山口市は山口県の県庁所在地だが、市内の中心近くに温泉がある全国でも珍しい県庁所在地となっている。湯田温泉はおよそ800年の歴史があり、多数の温泉旅館、ホテルなどがあって、中心部から歩いて行ける便利な場所にある。