【高校野球】今春甲子園出場の北海・大石広那捕手が日本製鉄室蘭シャークス、幌村魅影内野手はトヨタ自動車東日本へ
高校野球で昨夏、今春の甲子園に出場した北海・大石広那(こうだ)捕手が来春から日本製鉄室蘭シャークスへ、また幌村魅影(みかげ)内野手(ともに3年)がトヨタ自動車東日本に進むことが決まった。攻守の軸としてチームをけん引してきた2人は、3年後のプロ入りを目指して社会人野球で腕を磨く。 **** 北海・大石は、日本製鉄室蘭シャークスに進む。二塁への送球最速タイム1・9秒台の強肩捕手だ。今年の春頃から社会人野球でのプレーを志してきており、「レベルの高いところに身を置いて、夢であるプロ野球選手になりたい気持ちが強かった。ずっと室蘭にいるつもりはない」と決意を口にした。 入学当初は内野手だった。同級生の幌村らが1年春から公式戦に出場する中、「このチャンスをつかめなかったら終わる」と、不退転の覚悟で捕手にコンバート。チーム一の努力家は誰よりも遅くまでグラウンドに残り、完全下校時間の5分前まで練習を続けることも珍しくなかった。成果は肉体に現れ、1年春に120~130キロを1回が限界だったスクワットは200キロを18回上げられるまでに成長。たくましい下半身を手にし、1年秋から正捕手の座を守り続けた。 大学に進まなかったのは、女手ひとつで育ててくれた母・佳美さんに一日でも早く恩返しをしたい思いもあるからだ。「自立して、プロ野球選手になって恩返しするのが一番いい形。そこを目指していきたい」。高校野球一番の思い出はサヨナラ打も放った甲子園での試合ではなく、今夏地区予選でのコールド負け。悔しさを胸に次のステージに進む。 (島山 知房) ◆大石 広那(おおいし・こうだ)2006年4月17日、札幌市生まれ。18歳。札幌栄緑小2年時に大栄クーガーズで野球を始める。札幌栄中では軟式野球部でプレーし、北海では1年秋から正捕手を務めた。171センチ、82キロ。右投右打。家族は母。 北海・幌村は岩手から最高峰の舞台を目指す。今春のセンバツ前まではプロ志望届提出も視野に入れていたが、右肘を痛めた影響もあって大舞台で結果を残せず断念。3年後のドラフト会議に照準を定めており、「今、プロに入れたとしても絶対に通用しない。環境のいいところで自分のスキルを磨いてプロに行く」と腕をまくった。 入学直後に捕手から遊撃手に転向すると、いきなり1年春にレギュラーの座をつかんだ。堅実なプレーで北海のセンターラインを守り続け、右手中指を骨折していた2年夏の甲子園2回戦・浜松開誠館戦も代打で出場し安打を記録。安定感抜群の捕球、スローイングと強じんなメンタルで1試合も欠かすことなく、3年間の公式戦全試合に出場した。 守備力は全国の高校生と比較しても引けを取らない。一方、プロを目指す上での課題は明白で、「打つ方とフィジカル面はまだまだ劣っている。そこを見直したい。結果にこだわって、質の高い野球を求めてやっていきたい」。来季から日本海L・富山でプレーする予定の兄・黛汰(だいた)や高校時代のチームメートに負けじと、さらなる高みを目指していく。(島山 知房) ◆幌村 魅影(ほろむら・みかげ)2006年7月22日、新ひだか町生まれ。18歳。高静小1年時にみゆきフェニックスで野球を始める。静内第三中では日高シニアでプレーし、北海では1年春の地区予選初戦から全試合に出場した。177センチ、78キロ。右投右打。家族は両親、兄、弟。
報知新聞社