「賢く紫外線ケアしてますか?」日焼け止めブランドの本気度から見るUVケアの大切さ
日焼け止めブランドが攻めの手に。メイク機能? 開発のきっかけは?
長谷川:もうひとつ、忘れちゃならないのが2023年に発売したアリィーのチークUV。コロナ禍という時代とお客様のニーズが合致した製品でしたね。ポイントメイクはウォータープルーフ アイブロウNに続いて、2つめになるのかな?
カネボウ化粧品 蘇武さん・梶さんに聞きました!
Q:チークUVの開発に至ったきっかけを教えてください。 A:コロナ禍で「マスクの上からでも顔色を良く見せたい」というお客様の声からヒントを得て生まれました。「フルメイクはしたくない。でも、ほんの少しだけツヤや血色感がほしい」というニーズに応えるアイテムとして思い浮かんだのがチークでした。日焼けしやすい頬にメイクの上からもつけられて、重ねても透明感のあるかわいい色……と欲張りになってしまいましたが、アリィーの日焼け止め技術に社内のブランドで実績のあるメイク機能をプラスする、カネボウの強みを活かした製品ですね。(梶さん) Q:開発のオファーを受けた時の印象は? A:アリィーとして、マスクでこすれても落ちないようにUV機能は絶対死守しなければならない。そこにメイク機能をプラスして、それぞれのパフォーマンスを維持させるわけですから……かなりの難題でした(笑)。「UV機能がついたメイクアイテムと作り方は変わらないのでは?」とお思いですが、処方の組み立てが異なるため、たとえ同じ原料を使っていたとしても完成する製品はまったく違うんです。(蘇武さん) Q:ユーザーからの反応はいかがでしたか? A:お客様の声に押されて作った製品ではありますが、私たちの予想を上回る反響でした。同時に、研究や開発担当者たちの間では「チークにUV機能が付いているのではなく、UVケアブランドからメイク製品が出せた」という自信にもつながったのです。ブランドの可能性が広がった製品になりました。(梶さん) 岡部:化粧品は原料と処方の組み合わせでいかようにも作れるんだけど、その一方で機能も担保しなければならないから。これは企業努力だよね。 柳田:今は紫外線対策の付加価値が高まり、スキンケア・メイクブランドとボーダーレスになっていますよね。「UVと保湿ケアを同時におこなう」「UVケアをしながらメイクアップ効果もある」といった機能は、私たちユーザーの立場からすると、非常にありがたい。 岡部:UVケアに限らず、今の化粧品は良い意味でオーバースペックになってきているよね。こういう時代だからこそ、僕ら使う側が「賢く選ぶ・使う」べきなんだよね。自分の肌質・生活習慣・ニーズにきちんと合ったものを選べるようになってほしいですね。それから、化粧品を「正しく使う」こと。日焼け止めクリームなどは使用量を守らないとその効果は得られないですから。メーカーから推奨されている量をしっかり守ること、だね。 長谷川:エイジングケアの第1歩はUVケアと言っても過言ではなく、早いうちからやったほうがいいというのは本当。面倒がらず、習慣化することも大切ですよね。 次回は今年の日焼け止め、UV下地の賢い選び方のお話を聞かせてください。 人物撮影/後藤渉 商品撮影/恩田亮一 ヘアメイク/山下美紀 取材・文/長谷川真弓 構成/國見香
長谷川 真弓