J1広島無念 新スタジアム元年もあと一歩V届かず 佐々木主将涙「チャンスがあった分非常に悔しい」
「明治安田J1、G大阪3-1広島」(8日、パナソニックスタジアム吹田) 無念…。広島が今季最終戦でG大阪に1-3で敗れた。首位・神戸と勝ち点1差で逆転優勝の可能性を残した大一番を落とし、9年ぶりのリーグ制覇は霧散した。神戸の2連覇を許し、DF佐々木翔主将(35)らサンフレイレブンは悔し涙に暮れた。ただ、新スタジアム元年でもある今季は2位でフィニッシュ。来季のアジアチャンピオンズリーグエリートの出場権獲得を決定づける躍進を見せた。 吹田の青空は涙でにじんだ。選手もサポーターも全てを懸けて臨んだビッグマッチ。V逸と今季の終わりを告げるホイッスルが鳴り、ベンチメンバーの顔を見ると佐々木の感情があふれ出た。頬を伝った大粒の涙。「みんなの力を背負っているつもりではいた。だからチャンスがあった分、結果を出せなかったことが非常に悔しい」と天を仰いだ。 試合開始とともに押し込まれて流れを手放した。前半13分に先制点を献上。その直後にMFアルスラン、佐々木が決定的なシュートを放つも相手キーパーにはじかれて頭を抱えた。後半は立て続けに失点。スキッベ監督は「ここ数試合と同じような形。いいサッカーをしていながらもシュートが入らずに敗者になってしまった」と悔しさを押し殺した。 今年は2月に広島市内中心部に悲願の新スタジアムが完成した。クラブの売り上げは昨年比で約1・8倍となり、ビッグクラブへの歩みを加速させる中、夏場には7連勝を記録するなどして首位に浮上。しかし、待っていたのは秋口の戦いでの3連敗だった。終盤5試合は1勝4敗で得点力不足を解消することができず、「チャンスの数に対してゴールの数が少ない。そこを改善しないといけない」と指揮官は足元を見つめた。 それでもチームは昨季までの2年連続3位から一つ順位を上げた。その上にあるモノは頂点しかない。佐々木は「自分たちのサッカーにさらに磨きをかける。日頃から自分たちがいかに意識を持って戦うか。特効薬なんてない」と言った。一歩ずつ上る常勝クラブへの階段。悔しすぎる涙は輝く未来への布石にする。