主力定着→長期離脱で激動のルーキーイヤー…立教大出身の千葉DF久保庭良太が昇格争い佳境に戦線復帰「見つめ直せたのは良い経験」
[9.18 天皇杯準々決勝 千葉 0-3 京都 フクアリ] シーズン序盤戦にJ2リーグで着実に出場経験を重ねていた立教大出身のルーキーが、左足首の疲労骨折による長期離脱を経て、J1昇格プレーオフ出場権争い佳境に差し掛かる終盤戦に満を持して帰ってきた。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 ジェフユナイテッド千葉DF久保庭良太はこの日、天皇杯準々決勝・京都戦に右サイドバックで先発出場。後半からは本職のセンターバックにポジションを移し、約70分間の実戦復帰を果たした。結果的には0-3の敗戦という悔しい結果に終わったものの、序盤戦にJ2リーグ戦12試合に先発出場していた大卒ルーキーの復帰は昇格争いに臨むチームにとって貴重な明るいニュースとなった。 試合後、約4か月間にわたる長期離脱を経た久保庭は報道陣の取材に応じ、「リーグ戦に絡んでいた中でのケガだったので悔しい気持ちはあったけど、ちょっとでもチームのためになるようにリハビリなどの行動をしてきたつもり。この試合でちょっとアピールできたらと思っていたけど、そこはもうちょっと……でした」と謙虚に振り返った。 ただ、コンディションが万全ではない中でもポテンシャルの高さは発揮。FWムリロ・コスタら京都の強力な攻撃陣とのマッチアップで後れを取る場面はほとんどなく、不慣れな右SBのポジションにも「CB以外のポジションもできたほうがいいのかなと思っていて、いろんな見方ができるという意味でももっとトライしていきたい」と前向きに取り組んでいた。 久保庭は今季、関東2部の立教大からアカデミー時代にも所属していた千葉に帰還。主力定着に長期離脱と激動のルーキーイヤーを過ごしてきた。プロ入り直後の長いリハビリは苦労も多かったはずだが、「復帰した時によりパワーアップする、自分の課題に向き合って、帰ってきた時に成長できているように意識していた」と冷静に消化。客観的に自らの現状を見つめながら過ごしていたようだ。 「疲労骨折が起きた原因は身体のバランスの悪さで、より均等にというのを意識していた。体幹の部分が重要だと思ってそこはリハビリの中からやっていた。大学からプロになって運よく試合に絡ませてもらって、そこで慣れて成長した部分もあるけど、その中で自分の身体に向き合えていなかった結果、疲労骨折になってしまったと思っている。そこをもう一度見つめ直せたのは良い経験になったと思う」 そうした客観視は復帰戦のパフォーマンスに対する自己評価においても同様だった。「できる部分もあるとは思ったけど、復帰戦ということで自分の身体の部分が戻り切っていないなというのが率直な感想だった。そこは試合前の準備もそうだし、これから試合に入っていく上で向上できる部分だと思うので、次はもっと完璧に抑えられるようにしたい」と自信をにじませながら次の成長に目を向けていた。 現在7位の千葉はこの日、他会場で行われたJ2リーグ戦の結果により、自動昇格の可能性が消滅。狙うは3~6位が出場できるJ1昇格プレーオフのみとなった。6位の山口との勝ち点差はわずか1。残り7試合でのデッドヒートが始まろうとしている。 中高生時代を千葉の育成組織で過ごした久保庭にとって、J1復帰への思いは人一倍大きい。また立教大出身者としても、Jリーグ創設以来初のJ1挑戦が期待される立場でもある。「ジェフというクラブでJ1に昇格するのは立教にとっても、自分がアカデミーで育ったことを踏まえても理想的な形。ここから試合に絡んでいくという形で貢献していきたい」。残された時間は充分。高いポテンシャルを発揮する準備は整った。