12歳の少女が見た昭和47年 パンダ、沖縄返還…大切なことは全部テレビが教えてくれた プレイバック「昭和100年」
5月に沖縄が返還され、沖縄では車が右側通行ということを知ったのもテレビ、9月の日中共同声明で、中国人が人民服という服を着て、みんな自転車に乗っているということを知ったのもテレビだ。
パンダのカンカン、ランランも結局テレビでしか見ていない。上野動物園が大混雑だから仕方ないが、行った友達に聞いても「全然見えなかった。テレビのほうがよく見える」と言っていた。
7月に辞めた佐藤栄作首相は退陣の記者会見で「テレビカメラはどこかね、国民に直接話したい。新聞記者は帰ってくれ」などと話し、記者全員が退席した。私も佐藤さんの気持ちはよくわかる。なぜなら映像はそのままを映すのでウソはないと思うからだ。でも、もしテレビがわざとウソを流せば、逆にその影響は大変なことになるとも思う。
それにしても、私が小さい時はまだ家にテレビがなかったのに、そのころの生活がもう思い出せない。テレビがなかった時代は、みんな世の中のことをどうやって知っていたんだろう。
※2月19日から28日まで10日間に及んだあさま山荘事件では犯人グループらの発砲で警察官2人、民間人1人死亡、重軽傷者27人を出した。28日の総世帯視聴率は民放、NHK合わせて89・7%を記録、現在も報道番組の視聴率として最高という。