洲崎神社で例大祭 民俗文化財「ミノコオドリ」奉納 館山(千葉県)
館山市洲崎の洲崎神社の例大祭が21日にあった。県指定無形民俗文化財の「洲崎のミノコオドリ」が奉納された他、急こう配の石段を威勢よく下る神輿(みこし)の渡御(とぎょ)もあり、多くの見物客らでにぎわった。 ミノコオドリは、地区で代々受け継がれている伝統芸能で、1961年に県の無形民俗文化財に指定された。地区の小中高生を中心とした女性たちが、長い木製の柄に、切った紙を垂らした神祭用具の「オンベ」を担ぎ、日の丸の扇子を使って太鼓や歌い手を中心に、輪になって踊る。 今年は11人の踊り子たちが、薄だいだい色の羽織を身にまとい、社殿と社務所前で優雅な舞を披露した。 昨年に続き、ミノコオドリに参加した田邉未陽さん(西岬小3)は、「とても暑かったけど、練習の成果が出せた」。森田ひよりさん(同2)は「扇子をきれいに振るように頑張った」と笑顔を浮かべた。 踊り子の保護者の中には、かつてミノコオドリを踊っていた人もおり、現在は地域の人らとともに子どもたちへ踊りを伝えている。「地域の伝統として、これからも続けていければ」と思いを話す人もいた。
踊りの奉納が終わると、祭り最大の見せ場である神輿の渡御へ。50人ほどの担ぎ手たちは、神輿を左右に大きく揺らし、転げ落ちそうなほどの石段を、威勢よく声を上げながら担ぎきった。約20分間をかけて下りる豪快な様子に、地元の人や観光客から歓声が上がっていた。