きょう判決『女性監督』『闇の人物ナンバー2』青葉被告の妄想の正体とは「被告の半生」と「100時間超の裁判で語られた凶行の経緯」【京アニ放火殺人事件】
青葉被告の過去 元上司「真面目に仕事していました」
青葉被告はどんな妄想を抱き、なぜ事件を起こしたのか。半生をたどった。
埼玉県さいたま市、青葉被告は45年前にこの町で生まれた。9歳のころに両親が離婚。父親に引き取られアパートで暮らしていた。しかし、日常的に虐待を受けていたという。 写真の中で穏やかな表情でほほ笑むのは小学6年のころの青葉被告である。体格がよい活発な子どもだったという。 地元の高校の定時制に進学すると、埼玉県庁の非常勤職員として勤務した。郵便物を仕分けする文書課に所属していたという。取材を進めると、青葉被告の上司だった女性にたどり着いた。 (青葉被告の元上司)「(同僚からは)『青葉くん』と呼ばれていて。細くてすごく美男子だったんですよ。真面目に仕事はしていました。言われたことは全部ちゃんとやりますし。(仕事ぶりは)普通よりもちょっと上という感じですかね」 しかし20代、人間関係がうまくいかず、仕事を転々とした。そんな中で人生を大きく変える出会いがあった。
小説と出会い…後に生まれた『女性監督』との妄想の世界
(青葉被告)「京アニのアニメを見て、今時こんなすごいアニメはないだろう、と驚いた。なんとか自分でも書けないかと」 無職だった31歳のころ、京アニの代表作「涼宮ハルヒの憂鬱」の原作小説と出会ったのだ。強い感銘を受け、小説家になることを志した。しかし、その志が、のちに事件へとつながる妄想を生み出すことになる。 その一つが、実在する京アニの女性監督をめぐる妄想だった。ネットの掲示板サイトで出会ったと勝手に思い込んだ。実際に青葉被告が一方的に書き込んだ掲示板サイトへの投稿が残されている。 【青葉被告の投稿より】 「異常なほどの色気」 「ホレさせるだけホレさせて」 全く接点のない女性監督への感情をこう述べている。 (青葉被告)「はっきり言って恋愛感情です」 (弁護人)「LIKEかLOVEかで言うと?」 (青葉被告)「LOVEであります」 しかし、妄想の世界で2人の関係は徐々に悪化。やけになり、ある事件を起こす。