ロータスがコンセプトカー「Theory 1」を発表。ロータスが描く未来とは?
ロータスは、未来のインテリジェント・パフォーマンスカーを体現する新しいコンセプトカー「Theory 1」を発表した。このモデルは、ロータスの新しいデザイン哲学「ロータス セオリー」に基づいており、今後のすべてのロータス車のデザインと技術に影響を与えることになる。「ロータス セオリー」は、デジタル、ナチュラル、アナログという3つの要素を融合させ、これらの要素が調和することで、究極のドライバーエクスペリエンスを提供することを目指している。 【画像】インテリジェント・パフォーマンス・カーの未来を体現するロータス初のコンセプトカー、Theory 1(セオリーワン) (写真18点) デジタルの要素では、没入感と直感的な操作性を重視したデザインが特徴だ。最新のバイノーラルオーディオ技術を採用し、ドライバーに臨場感あふれるサウンド体験を提供する。さらに、ノイズキャンセリング機能により、不要な外部音をカットし、ドライバーの集中力を高める。また、OLED技術を搭載した「LOTUSWEAR™」というテクノロジーラインを導入し、車両の状態を視覚的に表示する機能も備わっている。このシステムは、車両の周囲の人々や歩行者にも情報を提供し、より安全な運転環境を実現している。 ナチュラルの要素としては、人間中心のデザインとインタラクティブな機能が融合している。ロータスはMotorSkins社と提携し、適応性のある膨張式ソフトテキスタイル素材を採用したインタラクティブな通知システムを開発した。このシステムは、ドライバーのニーズに応じて車両が自動的に反応し、よりシームレスで自然な操作体験を提供する。 アナログの要素では、ロータスの伝統的なパフォーマンスエンジニアリングが引き続き進化している。最新の360度カバーする自動運転ハードウェアが搭載され、LiDARやカメラ、レーダーが組み込まれたシステムが、車両の周囲を常にスキャンして障害物を検知し、安全な運転をサポートする。これにより、悪天候や低照度でも確実な安全性を確保することが可能だ。また、Nvidia製の高度なカーコンピューティング技術が車両に搭載され、リアルタイムでドライビングダイナミクスを調整し、最適な性能を発揮することができる。 このほか、ロータスは「チャレンジ・オブ・10」という取り組みを通じて、車両設計に使用する素材の数を大幅に削減することに成功している。「Theory 1」は、性能や耐久性、軽量性、リサイクル可能性を備えた10種類のA-サーフェイスマテリアルのみで構成されている。これには、セルロースベースのグラスファイバーやリサイクルカーボンファイバー、チタン、リサイクルアルミニウムなどが含まれており、環境に優しい持続可能な設計を実現している。このアプローチは、ロータスが長年大切にしてきた軽量化とシンプルさの哲学に基づいており、未来のパフォーマンスカーの新しい基準となることが期待されている。 エアロダイナミクスにおいても、ロータスはその専門知識を活かして設計を最適化。空力性能を向上させるために、アクティブおよびパッシブのエアロダイナミクス技術が採用されており、車両の軽量化と安定性を両立している。ノーズコーンにはエアディフレクターが装備され、車両全体の空気抵抗を低減し、エネルギー効率を向上させている。さらに、車両のアンダーフロアにはNACAダクトが採用されており、冷却性能を強化しつつ、空力的に最適化された設計となっている。 また、リアウイングはサスペンションシステムと直接接続されており、ダウンフォースを効率的にタイヤに伝えることで、車両の安定性を向上させている。さらに、車両には最新のピレリ「P ZERO ELECT™」タイヤが装着されており、このタイヤは転がり抵抗が少なく、バッテリーの航続距離を最大10%向上させることが可能となっている。このタイヤは、電動車両向けに特別に設計されており、高いトルクにも対応する強力なグリップ力を持っている。 さらに、APレーシングとのパートナーシップによって開発されたカーボンセラミックブレーキシステムが採用されており、これにより軽量で高性能なブレーキが実現。このブレーキシステムは、ロータスのF1技術を応用しており、超軽量で高い制動力を発揮することができる。 デザインと技術の融合によって次世代のインテリジェント・パフォーマンスカーの未来を示すロータス「Theory 1」。持続可能な素材の使用や最新のエアロダイナミクス技術、高度な自動運転機能を備えたこのモデルは、ドライバーに最高のパフォーマンスと快適な運転体験を提供するだろう。
Octane Japan 編集部