チョーキューメイが語るTikTokバズから次へのステップ、ビルボードライブと横浜への想い
特別な場所に、特別なセットリストで
チョーキューメイの『Live Heatseekers』出演にあたり、筆者は第1部公演に足を運んだ。神奈川出身の麗にとって「横浜」は特別な場所である。 麗:私は今も神奈川に住んでいて、特別な理由がない限りここから出るつもりはありません。地元の友達がまだたくさんいますし……これは重要なポイントですね(笑)。横浜も思い出がいっぱいです。高校時代には友達とよく遊びに行きました。横浜駅を降りて赤レンガ倉庫まで歩くというお散歩コースは結構遠いんですが、それがまた楽しいんです。 『Live Heatseekers』出演にれんぴは、「じっくり聴き込めるような、『こんなチョーキューメイの表情もあるのか』と思ってもらえるようなセットリストにしたい」と意気込みを語ってくれた。その約束を果たすかのように、この日のライブは普段のそれと一味違う、ディープでマニアックな楽曲を中心としたセットリストが組まれていた。 例えば「湖が見えた!」では、人力ドラムンベースにピアノの高速連打が重なり、パントマイムのような手振りを交えた麗のボーカルを煽りまくっていた。かと思えば「promise you」では、生き急ぐような4つ打ちのキックとつんのめるようなアルペジオが絡み合い、切ないコード進行が延々とループされていた。また、彼らの代表曲「心を照らせ!」では、ギターを背中に背負いながらバイオリンを弾く麗の姿が印象的であった。 麗:私、5歳から15歳までの10年間バイオリンを習っていたことがあって。そのことを、チョーキューメイの初ライブ3日前に思い出したんです。それをメンバーに話したら「ライブで弾いたらいいんじゃない?」って。急遽インストの曲を作って披露したのが最初のきっかけ。でも、それを推したいわけでは全然ないんですよ(笑)。バイオリンを弾くよりも歌うことやギターを弾くことのほうが好きだし、ライブでの「お楽しみ」くらいの感じで思ってもらえたらいいのかなと思っています。 なお、この日は「心を照らせ!」にちなんでチョーキューメイによる同名のオリジナルカクテルも用意されていた。梅酒、オレンジ、パインなどを合わせた爽やかな飲み口で、多くの観客がその味に魅了されていた。 「リインカネーション」では、ハチロクのリズムがグルーヴたっぷりに演奏され、後奏のバイオリンソロではクラシカルな要素が加わりシネマティックな雰囲気さえ漂った。曲の後半でバイオリンをエレキギターに持ち替えた麗が、渾身の力を込めてかき鳴らすと会場からはひときわ大きな拍手が巻き起こった。 「snowspring」同様、ケルトやアイリッシュの要素が感じられる壮大な楽曲「白い坂道をくぐったら」で本編は終了。アンコールでは、観客に選んでもらう3択から圧倒的多数で新曲「美しさより」を披露。この曲は6月26日にリリースされる2ndアルバム『銀河ムチェック』からのもので、ミドルテンポのサビでのファルセットや、間奏のドラマティックなピアノソロが印象的だった。 「Billboard Live YOKOHAMAでの初ライブ、とても楽しませてもらいました! 会場に到着した瞬間から、豪華で落ち着いた雰囲気にメンバー全員興奮しっぱなしでした。本番はお客さんとの距離が近くて、より私たちの演奏の空気感を感じていただけていたならと思っていました。スタッフの皆さんもとても優しく、素敵な環境で楽しく演奏させていただき大切な思い出になりました! ぜひ、またビルボードのステージに立てればと思っています」 終演後、このようなコメントを寄せてくれたチョーキューメイ。彼らの高い音楽性と魅力的なパフォーマンスが存分に発揮された今回のスペシャルなステージは、今後の彼らの活動にも大きな影響を与えることだろう。 --- チョーキューメイ 『銀河ムチェック』 発売中 2nd Album Release Tour『銀河ムチェック』ツアー 2024年6月29日(土)名古屋・CLUB UPSET 2024年6月30日(日)心斎橋・Music Club Janus 2024年7月2日(火)福岡・LIVE HOUSE OP’s 2024年7月12日(金)東京・渋谷CLUB QUATTRO
Takanori Kuroda