Bloomberg

（ブルームバーグ）： ８日の中国株式相場は上昇。国慶節（建国記念日）連休明けのＣＳＩ300指数は一時11％高となったが、その後は急速に上げを縮小した。追加の大型刺激策の発表がなく、投資家の失望を招いた。

ＣＳＩ300指数は前営業日比5.9％高で引けた。香港上場の中国本土銘柄から成るハンセン中国企業株（Ｈ株）指数は約10％下げて取引を終了し、本土休場中に上昇していた分を帳消しにした。

香港上場株の上昇や、８日の売買再開を控えて大手証券各社で記録的な口座開設数が報告されたこと、経済政策全般の立案を担う国家発展改革委員会（発改委）が同日開く記者会見で新たな株高材料が提供されるとの期待感から、休場明けの株価上昇を見込む声は強まっていた。

22Ｖリサーチのマイケル・ハーソン、ホウズ・ソン両氏はリポートで、発改委の会見について「われわれの控えめな見通しに加え、一見すると投資家の期待も裏切るものだった」と指摘した。

中国、経済目標の達成に自信－大規模な追加景気刺激策は見送り

ＣＳＩ300指数は連休入り前の９月30日まで９日続伸していた。連休明け初日も値上がりしたことで、同指数は2022年７月以来の高値で終了。一部の市場ウオッチャーはすでに割高な水準に達していると警鐘を鳴らしている。ＣＳＩ300指数の１年先株価収益率（ＰＥＲ）は13.3倍と、５年中央値の11.9倍を上回っている。

レオ・ウェルスの投資ソリューションズ担当グローバル責任者、アレクセイ・ミロネンコ氏は「中国株高の持続性は財政面で対策が有言実行されるかにかかっている」と分析。「共産党中央政治局や国務院の声明を受け、今後数週間でどのような政策が発表されるのか。それによって、われわれのオーバーウエートが相対的なバリュエーションが変われば取り下げられる戦術的なものなのか、戦略的なものなのか決まるだろう」と述べた。

中国は今年の国内総生産（ＧＤＰ）成長率目標を５％前後に設定したが、個人消費がなお伸び悩み、不動産不況が続く中、ここ数カ月の経済指標はこのままでは達成が困難であることを示唆している。