女優・工藤遥「大人になって変わったこと」と「変わらないこと」
写真を撮ることにこだわりを持つアーティストや俳優・声優による連載「QJカメラ部」。 【写真】プールに入って水遊びを楽しむ工藤遥 木曜日は、2018年から俳優活動をスタートし、数々の映画やドラマなどに出演する工藤遥が担当。 フィルムカメラを相棒とし、日々の何気ない風景を撮り溜めている。そんな彼女が、日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
よる
大人になるにつれて増えていくもののひとつとして “できるだけ早く家に帰りたい”と思う日が、 圧倒的に増えたことが挙げられる。 明るい時間に家に帰れると、得した気がする。 悲しいけど、大人になったな、と 自覚する瞬間でもあります。悲しいけど。 小さいころは、母から口酸っぱく 「暗くなる前に帰ってきなよ~」って言われるから 暗くなる夜には妙な特別感があった。 テーマパークに閉園までいられた日。 寒くなるにつれて陽が短くなる時期。 ばあちゃん家の帰りに渋滞にハマって 気がついたら、暗くなってたときとかね。 夜は何も変わらないのに、私は少し変わった。 ちょっと寂しいけど、 その分、大人は忙しいって思っておく。 あ、そういえば。 今も変わらずに、好きな夜が、あった。 夜市はとても好き! 楽しい! ライトアップされてキラキラした通りに、 ぎっしり詰め込まれたおいしそうな匂いや どこでも買えそうなのに、 なぜか今ここで欲しくなる衝動とか。 いっぱい食べるぞ~!って意気込んで たいして食べられない夏祭り。 一番安い屋台はどこかな~って 品定めすぎて、何も買えない初詣とかね。 こうやって書いてみると、 夜もまだまだ特別なのかもしれないです。
撮影・文=工藤遥