【山口県】[周南市][部活動地域移行]90団体集まるか 12月20日から登録始まる
中学部活動が廃止され、2026年度をめどに地域での活動に変わる「部活動地域移行」。全国的に進められているが、その方針や進め方は各市に委ねられている。地域の状況を鑑みて、各自治体は慎重に制度整備を進めている。 周南市は23年度から25年度までを改革期間、26年度から「周南市地域クラブ」への完全移行を目指す。 同市では18日、「第9回周南市文化・スポーツ活動推進協議会」を開いて専門部会の進捗を共有。受け皿となる団体募集や施設利用などについて話し合った。
スポーツは60団体か
「地域クラブ」の登録はまだ始まっていないが、スポーツ活動関係事務局を担う市スポーツ協会は各団体にヒアリングして、中学生を受け入れ可能な60団体を「社会体育部」としてホームページに掲載している。 地域クラブの活動拠点は市内中央部が多いが中山間地域や熊毛、湯野にも点在。多くの団体が小学校やスポーツ施設で活動している。 市文化振興財団が事務局を担う文化活動は、アンケートから約30団体の登録を見込んでいる。
募集開始予定は12月20日
各事務局では登録要件や登録のメリットを精査し、12月20日(金)にも登録を開始すると公表。 同時にホームページも始動し、団体登録方法の案内や、登録団体の情報などを発信する。
学校施設開放は協議中
同市では26年度の3年生が出場する最後の大会までは部活を継続できるとしているが、終われば部活は消滅。部活で使用してきた時間のグラウンド、体育館、部室などは空くことになる。 現状、セキュリティシステムの関係で学校の特別教室などを開放するには学校職員の立ち合いが必要。警備会社とも打ち合わせしながら、特別教室を切り離し、独立して貸し出せる学校のリストアップを進めている。 セキュリティのほかにも使用許可の公平性や、学校行事での使用など、学校施設利用の具体的な運用方法の検討が求められている。
夜間・休日診療の増加を懸念
市スポーツ協会のスポーツ医科学委員会の医師からは、部活でケガをした場合は活動時間内の診察に対応できていたが、地域クラブになると活動が遅い時間になり、夜間診療にかかる中学生が増える懸念について指摘。該当する医療機関へ事前に伝えておく必要について言及した。 同市の地域移行では子どもたちの選択肢を増やしたいと、23日(土)から12月15日(日)までの間に5日間、「第5弾スポーツ活動体験会」を開く。市内の小中学生とその保護者や地域の人が対象で、参加料は1人1日500円。詳細は表の通り。 この地域移行によって子どもたちが支障なく今以上に活発に活動できて、保護者は安心して活動に送り出せるよう、受け皿となってくれる団体の負担にも配慮した運営体制の整備が求められている。