家系の消滅を食い止める!天然記念物『アユモドキ』の人工繁殖に成功 近畿大学の学生らが環境省から感謝状「評価していただき、やりがいを感じる」
国の天然記念物に指定されている“ドジョウ”の「アユモドキ」の人工繁殖に成功し、消滅寸前となっていた系統の維持に貢献したとして、環境省は近畿大学の学生ら3人に感謝状を贈りました。 3月9日、環境省近畿地方環境事務所から感謝状が贈られたのは、近畿大学大学院(農学研究科)に所属する八嶋勇気さんら3人です。八嶋さんらが人工繁殖に成功したのは、国の天然記念物に指定されている「アユモドキ」というドジョウの仲間で、飼育下では基本的に自然繁殖はしないとされています。
近畿大学によりますと、岐阜県の水族館が飼育していたアユモドキのうち、系統保存されていた「1家系(血筋)」が消滅の危機に直面。これまで別の種類のドジョウで人工繁殖に成功した実績があった八嶋さんらが引き取り、ホルモン注射や精子を採取するなどした結果、おととし5月に人工繁殖に成功したということです。 八嶋さんはMBSの取材に対して「餌を与える頻度やタイミングを工夫するなど、増やすのはとても大変でしたが、評価していただき、やりがいを感じます。自分の技術を後輩らへと引き継ぎ、誰でも増やせるようにしていきたいです」とコメントしています。 アユモドキは、滋賀県・京都府・大阪府にまたがる琵琶湖淀川水系と、岡山県と広島県の一部の川にしか生息していない日本固有種。泳いでいる姿がアユに似ていることから「アユモドキ」の名がつきました。