なぜマイナー?藤川と和田がメジャー昇格できない不可解な理由
カブスの和田毅(34)とレンジャーズの藤川球児(34)。同級生の2人が、今もマイナーにいる。いずれも故障に端を発し、出遅れた。 キャンプ開始時、和田は、先発5番手を争う位置にいた。ジョン・レスター、ジェイソン・ハメル、ジェイク・アリエッタ、カイル・ヘンドリックスまでは確定。5番手をトラビス・ウッド、ジェイコブ・ターナー、フェリックス・ドゥブラントらと競う展開だった。キャンプ序盤は順調に過ごし、3月8日のオープン戦初登板を前に、「あとは結果を残すのみ。25人枠に生き残り、その中で先発の座をつかみ取っていきたい」と意気込んだが、そのオープン戦初戦で、左足内転筋の張りを感じて1回で降板。13日に再び登板したが、1回途中、同じ箇所を痛めてマウンドを降りると、半ば争いから消えた。 現在、トリプルAのアイオワで投げているが、先発での復帰は不透明。あくまでもリハビリ登板なので、よほど悪くなければ復帰に支障はないが、優先順位の問題がある。 仮に誰かが不調、あるいは故障で先発から外れたとしても、その場合まず、先発のチャンスを与えられるのは、エドウィン・ジャクソンだ。彼は昨季、先発失格の烙印を押され、リリーフに回っているが、今年は中継ぎで5試合に投げて、6安打、無失点と安定している。そのジャクソンが再び先発失格になっても、キャンプでやはり5番手候補だったエリック・ヨキッシュ、ダラス・ビーラーらが控え、自動的に和田が呼ばれるわけではない。そもそも開幕してしばらくは不安定だった先発陣も安定して来た。一番心配だったジョン・レスターも復調の兆しが見える。5番手のウッドも2勝1敗、防御率3.04とまずまずだ。 となると、ブルペン投手として復帰する可能性の方が高い。そこには少々、追い風も吹く。本来ならブルペンのロースターに入っているニール・ラミレスとジャスティン・グリムンが故障中で、回復までもう少し時間を要するよう。 しかしながら、和田の前に呼ばれるとしたら、プロスペクトのC.J.・エドワーズと見られる。将来の先発候補で、評価も高い。和田はその次か。ただ、そこでまた足踏みするようなら、 グリムン、ラミレスが戻って来るので、優先順位が下がる。和田は4月30日、クリス・ボジオ投手コーチの前で、ブルペンに入ったという。声がかかる前兆か、単なる状態の確認か…。 それにしても和田の立場での故障は、本当に大きな障害となった。そもそもポジションは確定しておらず、オープン戦を通じて争う必要があったが、一番大事なときにケガをして、競争のスタートラインにさえ立てなかった。今や、周回遅れとなり、必死に追いかけるが差が詰まらない。そんな状況にもがいている。