オリックスの新監督に決まった岸田投手コーチ。今季5位に沈んだチームの立て直しを図る

オリックスは9日、岸田護投手コーチ（43）が来季から監督に就任すると発表した。投手出身では前身の阪急時代の1979―80年の梶本隆夫監督以来で、オリックスとなってからは初。昨季までパ・リーグ3連覇に導いた中嶋聡前監督（55）の近くで学んできた同コーチを先頭にチームの再建を図る。就任会見は11日に行われる予定。オリックス投手コーチ時代に新指揮官を指導していた星野伸之氏（58）＝サンケイスポーツ専属評論家＝は人柄を明かし、期待を込めた。 【写真】「毎日、僕を笑顔にしてくれる」結婚したオリックス・田嶋大樹と長谷川サキさん これまで築き上げてきたものを継承しながら、新たな風を吹かせて復権を期す。オリックスはチームとしての継続性を重視し、新たな監督を岸田投手コーチに託した。 昨季までリーグ3連覇を果たしたチームが、今季は5位に沈んだ。レギュラーシーズン最終戦となった6日の楽天戦（楽天モバイルパーク）後に中嶋前監督が今季限りでの辞任を表明。「勝利と育成」を掲げて21年からリーグ3連覇、22年には日本一にも導いた将に対し、球団は続投を要請をして何度も慰留したが、辞意を覆すことはできなかった。 後任人事を進めるにあたり、湊球団社長は「残された人間はここまで（中嶋監督に）していただいたこと、継続してできることをしっかりやらないといけない」と語っていた。その上でオリックス一筋で選手として14年、指導者として5年の経験を積んだ岸田コーチが適任と判断。球団の投手出身では前身の阪急時代の1979年（2位）、80年（5位）に指揮を執った梶本隆夫監督以来、45年ぶり。オリックスとなってからは初だ。 岸田新監督は19年に現役引退後は20年から投手コーチを務め、当時の中嶋2軍監督とともに若手育成に励んだ。今年6月からは1軍のブルペン担当を任され、間近で〝中嶋野球〟を学んできた。その継承と同時に求められるのは、妥協を許さない厳格さだ。辞任会見で中嶋前監督は「（凡事徹底を）どれだけ言っても改善されなかった。慣れなのかな」と、来季に向けた課題を指摘した。 4年ぶりにBクラスに沈んだチームを蘇らせるため、43歳の新指揮官には慣れさせないチームマネジメントが必要だ。