屋根塗装詐欺の被害者が語る 人をだます巧みな話術と手口そして背後には暴力団が
不審な点は
振り返ると不審な点が2つあったと言います。 まず工事初日のこと・・・ 詐欺被害者 大村寛さん: 「自分仕事から帰ってきたときに、玄関の入り口のここに ビールの缶が2つあったんですよ。忘れ物でもおかしいな、変だなと思いながらいて。普通じゃお客さんのところにビールなんて持って来ないので。暑い日にジュースなら分かるが「ビール?ん?」ってちょっと不審には思った。」 また2日目。 大村さんは仕事で日中不在にしていましたが、息子がたまたま日中に帰宅すると仮設の足場がなかったといいます。 詐欺被害者 裾野市 大村寛さん: 「本来塗装をするってなると、だいたい足場組んで。それをやってなかったっていうのさ、「あれ?」って思ったんだけど。こんだけ高さもあるので階段的な足場組んで上るような形だと思っていたんで」
詐欺と判明、立件
大村さんが詐欺だったと知るのは5カ月後のことでした。 詐欺被害者 裾野市 大村寛さん: 「おまわりさんの方から電話がかかってきて塗装工事をしました?って言うから「しました」(と答えた)実はこうこうで詐欺に遭っていると思われる」 大村さんの自宅は実際、屋根の工事は必要なかったとみられます。 男らは自ら屋根の一部を壊し、工事が必要だとみせかけ40万円をだまし取ったということです。 9月最初に訪問してきた若い男と社長を名乗る男を含めた5人が、詐欺と特定商取引に関する法律違反の疑いで逮捕されました。 そのうち、この2人を含めた3人は起訴されています。 うその説明をして、必要のない屋根の修理費用をだまし取った罪です。 犯行を主導していたのは、 社長を名乗った東京都の建設業の男(33)とみられています。 警察などによりますと、三島市や裾野市で5人の犯行とみられる被害が10件以上確認されていて、被害総額は500万円以上に上るということです。 うち、大村さんの件を含め2件が立件されています。 「初めて気が付いた、聞いて分かった。自分は(詐欺に)遭わないと思っていたけど遭っちゃいました。本当にタイミングとかが合っちゃうと簡単に詐欺に遭ってしまうので」 9月、警察は神奈川県藤沢市にある稲川会十一代目堀井一家の事務所を家宅捜索。 5人が得た利益が暴力団に流れていたとみて調べを続けています。 静岡県によりますと今年4月から11月5日までに屋根の工事に関する相談が160件寄せられているということです。