川崎や横浜の給食で豚肉を国産と偽装容疑、食品会社社長ら逮捕…「10年以上前からやっていた」
安価な外国産の豚肉を国産と偽って小中学校の給食の食材向けに納入したとして、神奈川県警は13日、相模原市中央区の食品加工会社「寿食品」社長の男ら、会社関係者計5人を不正競争防止法違反(誤認惹(じゃっ)起(き))の疑いで逮捕した。
捜査関係者によると、社長らは昨年、外国産豚肉を国産と偽り、納品業者を通じて川崎市内などの公立小中学校の給食食材として納入した疑い。
同社を巡っては昨年9月、川崎市が抜き打ちで行った産地判別検査で「カナダ産の可能性が高い外国産」と判明。同社は市の調査に対し、「10年以上前から産地を偽装していた」「国産と外国産を混ぜていた」などと認めた。国産の仕入れ値に応じて混入割合を変え、国産2に対して外国産8の比率だったこともあるという。
県警は昨年11月、同社の本社や工場を捜索していた。
同社が産地偽装した豚肉は、横浜市や相模原市、東京都府中市などの給食でも使われたことが各市の調査などで明らかになっている。
同社は1960年創業。公立小中学校の給食事業などを手がけていたが、不正発覚後は経営が悪化し、今年6月に破産手続きを開始した。