「パロディーにはしない」...出演者が語る『サタデー・ナイト・ライブ』誕生の裏側を描いた映画への思い
<有名番組「サタデー・ナイト・ライブ」誕生の舞台裏を描く映画『サタデー・ナイト』で、1人2役を演じたニコラス・ブラウンが語る演技論と決意>
俳優にとって、実在の人物に基づく役を演じるのは大きなプレッシャーだ。ならば、実在の人物2人を1つの映画で演じ分けるとなったら......。 【動画】映画『サタデー・ナイト』公式トレーラー 米老舗コメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』の初回放送までの舞台裏を描く群像劇『サタデー・ナイト』(全米公開中)で、ニコラス・ブラウンはその難題に挑んだ。演じたのはマペット人形作家のジム・ヘンソンと、コメディアンのアンディ・カウフマンだ。 もっとも、本人に恐れはなかった。「2人の両方になれるのはとても光栄だった」と語り、「パロディーにしない」ことを心がけたと振り返る。 実際のSNLと同様、本作の「キャストは大所帯」だ。共演歴のある俳優はいなかったが、すぐに「全員がはまり役で、どれだけリサーチをしているかに気付いた」と言う。「この作品の意義を、誰もが理解していた」 米人気ドラマ『メディア王~華麗なる一族~』のグレッグ役の印象が強いなか、これまでと懸け離れた役柄に挑戦したブラウンに、本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。 ──ヘンソン役とカウフマン役にどう取り組んだ? 実在の人物を演じたことはあまりないけれど、原点から始めたかった。ジムは早いうちからテレビに夢中で、アンディはパフォーマンスをすることに夢中だった。でも個人的には「声」がカギの1つだ。その人らしさを表現できる。 ──これほど有名な2人を演じるのは怖かった? それほどではなかった。彼らはとても尊敬されていて、いろんなことが語り伝えられている。早くに(35歳で)亡くなったアンディの場合、特にそうだ。熱狂的ファンをがっかりさせる可能性があるのは分かっていたけど、自分なりの表現をしようと決めた。2人の頭の中に入り込むこと、敬意を示すことを目指した。 ──こんなに大勢のキャストがいるなかで、埋もれないようにするには? この映画では、本当にたくさんのことが起きる。だから、アンディが出てくるときは、とにかくアンディのことだけを考えようという感じだった。ジムのときは、あの独特のエネルギーでいっぱいにして、どうなるか見てみよう、と。 ──『メディア王』のような大成功作から、どうやって次のステップに進む? 違いを感じるものや新しい挑戦を積極的に探している。グレッグ役のおかげで、多くの人に出会えた。11歳から演技をしているけれど、グレッグは人生とキャリアを大きく変えてくれた。でも、違う方向へ自分を追い込むことがいい結果になると思う。
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)