お見送り芸人しんいち&ZAZYがノーギャラで毒舌ラジオを続ける理由「リスペクトある悪口」
この数年で世界的なPodcastブームが巻き起こる中、日本では芸人によるPodcastが活気づている。数多ある番組の中、今ある意味で要注目の番組が、お見送り芸人しんいち、ZAZYの二人による『しんいち・ZAZY の ホントは喋りたくない!』(通称:『ホンしゃべ』。Spotify Podcastにて配信中)だ。約30分に渡り、二人は「忌憚なく」という言葉ですらはばかられるほどの毒と妬み(そして愛)で、芸人界を切り刻んでミキサーにかけた挙句、あたりかまわずぶちまけていく。あまりに過激、あまりに切れ味鋭すぎるゆえに爽快感すら漂わせる内容は、業界関係者をはじめ、芸人たちも一目置いてるほどだ。今最もキケンかもしれない当番組はどのように生まれたのか? 二人に話を聞いた(前中後編の後編)。>>前編・中編は下の関連記事からご覧ください。 【写真】お見送り芸人しんいち&ZAZY しんいち こうして番組について改めて二人で話聞いてもらうの、うれしいなあ。 ZAZY 何気に番組について、こうした機会は初めてですね。 ──そうなんですか⁉ R-1グランプリ2022の決勝で熾烈に戦い、その後もバトルを繰り返してきたお二人のラジオですから、話題性も強いと思っていたのですが。 しんいち まだまだ泳がしとこう?なんかなあ。ニューヨークのYouTubeのコメント、すごかったのになあ。 ZAZY 屋敷(裕政)さんが普段聞いているラジオについて語る回ね。「『ホンしゃべ』は、屋敷さんに合う」というコメントが結構あって。なので、届きかけてはいるとは思うんです。 しんいち みなみかわさんも聞いてくれていて、ゲストで出てくれたママタルトのひわちゃん(檜原洋平)は、「今一番楽しみにしているラジオです」と言ってくれているしなあ。 ZAZY 吉本内でも増えているみたいですよ。最近、(令和ロマンの)ケムリ、(ナイチンゲールダンスの中野)なかるてぃんも聞き始めてくれてるって。 しんいち うわぁ、それはデカイなあ。 ──『ホンしゃべ』は、以前ZAZYさんと構成作家の武村さんがやっていた、『ZAZYの週明けにイチャモン』(Stand FM)の流れを汲んで始まったという認識ですが、詳しく始まりの経緯をうかがっていいですか? ZAZY しんいちさんに出てもらった回で、「ラジオとかやりたいっすね」と話したら、「やろう、やろう」ってなったんですよ。 しんいち そうか。なんで「ラジオやろう」と言ったかというと、僕らはM-1に出ていて。漫才って掛け合いが重要。なのにピン芸人ってワガママな存在で、「俺の話聞いてくれ!」という人間ばかりやから、(会話の)キャッチボールがヘタクソなんですよ。 ZAZY これは本当。ピン芸人全員、キャッチボールがヘタっすね。 しんいち せやから、喋り続けていく場所があれば自然にスムーズな会話になると思って。その練習のためにやりたかったんやと思います。 ZAZY 最初は2人でワーワー喋ってケンカしていく内容にしましょう、みたいなことを言っていましたよね。 ──それが気づけば、芸人ラジオ随一の毒舌と妬み僻みが飛び交うフルスロットルな内容に。 ZAZY ある日、番組内で「怪奇!YesどんぐりRPG」についての話をしたら、次の週から、リスナーさんから、「こんなことしてましたよ」みたいなお便りが届いて、それについて話していたんです。そうしたら、そこから色々な芸人についてのメールがどんどん届き始めて。 しんいち そのメール内容が、まあワルいのが多くて。それに乗せられて僕らも思ったことをどんどん言うようになっていったんですよ。 ZAZY 今では僕たちよりもリスナーの方が悪いこと言っていますからね。