イスラエルがガザ北部爆撃継続、UNRWAへの協力停止 米は人道状況の改善促す
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は5日、パレスチナ自治区ガザ各地を爆撃し、ロイター通信によると少なくとも29人が死亡した。このうち北部のベイトラヒヤでは20人が死亡したもよう。軍は10月上旬から、打撃を与えたイスラム原理主義組織ハマスの再組織化を阻止するとしてガザ北部を包囲し、激しい爆撃を続けて食料など物資の搬入も厳しく制限している。 【写真】ガザ南部ハンユニスで、イスラエル軍の攻撃により破壊された住宅のがれきに座る男性 ブリンケン米国務長官は11月4日、イスラエルのガラント国防相と電話で会談し、ガザ全域への食料や医薬品など支援物資の流入を増やすよう求めた。バイデン米政権は10月中旬、人道状況を30日以内に改善しなければ米国の対イスラエル軍事支援に影響が出る恐れがあると警告したが、大きな変化はないもようだ。 ロイターは11月4日、イスラエルが国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への協力を終了したと報じた。ガザやヨルダン川西岸の自治区の住民支援がさらに滞る恐れがある。イスラエル国会では10月末、UNRWAの国内での活動を禁じる法案が賛成多数で可決されていた。 一方、イスラエル軍は4日、シリアの首都ダマスカス近郊にある親イラン民兵組織ヒズボラの情報管理拠点を爆撃したと発表した。