五輪会場見直し 小池知事「お金をケチれば良いと思っているわけではない」
2020年東京五輪・パラリンピックの会場見直し問題で、ボート・カヌー競技は、現状の海の森水上競技場(東京湾岸)のほか、海の森での仮設施設案と、長沼ボート場(宮城県登米市)案が浮上していると報じられている。東京都の小池百合子知事は、20日に開かれた定例会見で「お金をケチれば良いと思っているわけではない」と、あらためて総合的に判断するとの姿勢を強調。会場問題は月内に判断を示すとしている。 【中継録画】五輪ボート会場見直しは? 小池都知事が会見
「ようやく復興五輪の原点に戻りつつある」
都の五輪・パラリンピック準備局では、海の森の常設施設の整備費がどこまで圧縮できるかを検討した結果、従来の491億円から300億円程度にまで圧縮できる可能性があると説明。TVカメラ用桟橋の設置取りやめや、予備費的な位置付けで計上していた追加工事費の縮減などにある程度の見通しがついたためとしている。 小池知事は、「金額は重要な要素」とするとともに、「五輪後も都民やアスリートにとって十分使えるものなのかも含めて総合的に判断する」として、ワイズスペンディング(賢いお金の使い方)の観点を重視する姿勢を強調。「お金をケチれば良いと思っているわけではない。大会で使われた新しい技術がそのあと世界に広がるならば、コストを超えたものがあると思う」とも述べた。 代替候補地として、都政改革本部の調査チームが提示した長沼ボート場が「復興五輪」のキーワードとともに連日報じられるなど注目が集まっているが、「ようやく復興五輪の原点に戻りつつあるのではないか」と述べ、すでに大きな効果が出ていると評価した。 月末までに結論を出すとしている小池知事だが、「東京都はこうです、と言ったところで、それは無理、というチョイスもでてくると思う」として、決定に向けてはIOCや国際競技団体との調整が必要との見方を示した。 (取材・文:具志堅浩二)