酒井若菜さん(44歳)の心をラクにする方法「20代や30代は『完璧な人間でいなきゃ』が強すぎて…」|美ST
美STの人気連載企画「自愛ビューティ論」に登場してくれた酒井若菜さん。彼女が語ってくれた心の持ちようは、迷い多き美ST世代の背中をそっと押してくれるようなものばかりでした。本誌でご紹介しきれなかったエピソードを公開します! 【写真あり】内面の充実が溢れ出ている笑顔...酒井若菜さん(44歳)
大人になった今こそ「ちゃんと間違えられる女性」になりたい
■お話を伺ったのは……酒井若菜さん(44歳) 《Profile》 1980年生まれ。女優、作家。数々のドラマや映画に出演。小説、エッセー集を発表するなど文筆業でも活躍中。近作にNHK「Shrink(シュリンク)―精神科医ヨワイ―」など。現在放送中のMBS「スメルズ ライク グリーン スピリット」に出演。また日本テレビ系新日曜ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(10月6日22時30分スタート)への出演も決定している。 20代や30代の頃は、「完璧な人間でいなきゃ!」という思いがすごく強かったんです。だから人に何かを相談することもできませんでした。「自分は強い人間だし、人を支えてあげないと」という思いも、完璧を目指す姿勢に拍車をかけたのかもしれません。 でも40代になった時、“ちゃんと人に弱みを見せられる勇気を持つこと”と、“ちゃんと間違えられるということ”がいかに重要なのか、気づき始めたんです。 例えば私は作家の向田邦子さんをとても尊敬しているのですが、エッセイを読むと、彼女は“ちゃんと間違える”ができたんですよね。かつそれを、ケラケラと笑い飛ばせる愛嬌を持ち合わせている。 それって、すごく人間味があって、むしろカッコイイことだと思いませんか? だから私は、何かを間違えたり、弱ってしまったとき、そういった自分を隠さず、ちゃんとさらせる人間でありたいなと思うんです。そんなことを意識して始めた40代からの人間関係は、とっても温かい関係になったと実感しています。
ズルをしなかった過去の自分が、今の自分を肯定してくれる
先日、今から20年ほど前にドラマで共演した子と、とある現場で偶然再会したんです。当時私は23歳で、その子はまだ可愛い男の子でした。少しの間昔話をしたんですが、「あのとき酒井さん、僕に“カッコイイ大人になりなさい”ってエールをくれましたよね」と言っていて。当の私はすっかり忘れてしまっていたんですが、随分イキったエールを送ったものですよね(笑)。 そしてさらに、「あのときの酒井さんはカッコよかったです」と言ってくれて。その時、過去の自分が、今の私を肯定してくれた気がしたんです。過去の私はズルをしたりごまかしたり、楽なほうに流れるような人間ではなかった、と。 誇れる自分を積み重ねてきたからこそ、本当の承認欲求は、自分によって満たされるのだと感じました。