「爆上戦隊ブンブンジャー」誕生秘話 久慈Pが抱いた危機感、「クルマxつくる」で描く新たなチームの在り方
スーパー戦隊シリーズ第48作「爆上戦隊ブンブンジャー」が、3月3日に初回放送を迎える。オンエアを前に、東映の久慈麗人プロデューサーがリモートインタビューに応じ、「クルマxつくる」をテーマに掲げる本作の企画誕生から設定秘話、プロデューサーとしての挑戦について語った。 【動画】5人の素顔に迫る!「爆上戦隊ブンブンジャー」激アツ!座談会
今の時代に描く“クリエイティブな”スーパー戦隊
「爆上戦隊ブンブンジャー」は、タイヤやスピードメーターをイメージしたレーシングスーツに身を包んだヒーローが、人間の悲鳴エネルギー「ギャーソリン」を集めるために地球を狙う大宇宙侵略大走力団「ハシリヤン」に立ち向かう作品。クルマを巧みに乗りこなすブンブンジャーは、自らスーパーマシンを作り上げ、変形させたり巨大ロボットを組み上げて戦う。 作品の軸として掲げられた「爆上(バクアゲ)」という言葉。久慈プロデューサーによると、これは番組立ち上げの段階で「前向き・上向きな作品にしたい」という想いがキッカケで浮上した言葉だという。「この時代に描く車モチーフのスーパー戦隊の方向性を考えた時に、マシンを与えられるのではなく、『つくる』ヒーローにしようかという話になりました。“上がる”というワードは、モノが『仕上がる』『出来上がる』といった言葉にも使われますし、車であれば、『スピードが上がる』など“加速する”というイメージでも使えます。とにかく前向きに勢いよく上がっていこうという意味合いを込めて、『爆上戦隊』というタイトルにしました」
スーパー戦隊の歴史において、車をモチーフにした作品は「高速戦隊ターボレンジャー」「激走戦隊カーレンジャー」「炎神戦隊ゴーオンジャー」などが挙げられる。令和のスーパー戦隊として、上記の作品との差別化を図るために、久慈プロデューサーは、現代の子供たちが夢中になっている「クラフト/ものづくり」に注目した。
「車をモチーフにすると決めてから、自動車工場を見学したのですが、レーン上で組み立てられていく工程は、大人でもワクワクするし、子供たちにとってはたまらないだろうと思いました。小学生の娘は図画工作が1番好きな教科と言っているし、作ることを楽しむ姿や、クリエイティブであることが、令和においては憧れであったり、カッコよく見えます。そこで、『つくる』をテーマにすることは面白いのではないかと考えました。また、ブンブンジャーの5人に、“敵を倒す”以外の夢や目標を持たせたいということを考えた時に、『つくる』は相性がいいのではと、スタッフと話し合いながら企画を詰めていきました」