関東一vs.帝京、40年におよぶライバル物語の第2章! 守りの差で関東一が勝利!【24年夏・東東京大会】
ところで、試合直後の優勝インタビューで米澤監督がまず言ったのは、「5回にピッチャーの畠中に接触プレーがありまして、臨時代走の許可を頂いた帝京高校の金田監督さん、選手の皆さん、ありがとうございました」ということだった。5回表関東一の攻撃で3点を入れてなお一死一、二塁で9番の畠中は絶妙のバントをする。帝京の先発投手・小野 寛人(3年)がマウンドから下りて捕球し、一塁に送球したが、畠中と一塁手が接触。畠中はあごのあたりを打撲した。ルール上、頭部への死球は臨時代走を出すことになっているが、今回のケースでは、医療的には臨時代走を出す方が望ましい、ということであるが、ルールとしては、相手校、つまり帝京の許可が必要になる。帝京としては、拒否してもルール上は許される。でも帝京はそうしたことはせず、臨時代走をすんなり受け入れた。 関東一と帝京は、互いに負けたくない、ライバル関係にある。けれども強いライバル意識と同時に、互いに敬意を持っている。米澤監督は「東東京は、帝京高校がけん引してきました。前田監督さんにも多くのことを学ばせてもらいました。金田監督が前田監督の思いを受けついでいます」と語る。負けた金田監督は関東一について、「勝ち方を知った、したたかな野球をしています。悔しい。でも屈しない野球をしないといけません」と語った。関東一・米澤監督と帝京・金田監督の戦いは始まったばかりだ。そこに市原勝人監督率いる二松学舎大附を含めた3校が、いまの東東京のレベルを引き上げている。そしてこの3校に対抗することで、東東京のみならず、東京の高校野球全体のレベルを上げることになる。