銃所持の自衛隊員、一時不明 陸自八戸(青森県)、訓練中に14時間半 演習場内で発見
青森県八戸市の陸上自衛隊八戸駐屯地は28日、同駐屯地八戸演習場で訓練していた第5高射特科群に所属する20代男性2等陸士が、小銃や銃剣を所持したまま27日夜から行方不明になったと発表した。隊員らが捜したところ28日午後0時10分ごろ、同演習場内で発見されたが、少なくとも約14時間半にわたって行方が分からなかった。同駐屯地は2士が行方不明になった理由を明らかにしていない。2士は発見時、装備品が全てそろっていたものの、地域住民の間には不安が広がった。 同駐屯地によると、別の隊員が27日午後9時半ごろ、訓練中に2士がいないことに気付いた。隊員たちが演習場内を捜索したが見つからず、28日午前8時ごろ同駐屯地から市危機管理課、八戸署、県へ報告。同11時ごろには約500人態勢で同駐屯地内の捜索に当たった。2士は行方不明になった当時に弾倉を所持していたが、実弾は入っていなかった。 第5高射特科群長の奥田嘉夫1等陸佐は「地域の皆さまには不安とご迷惑をおかけしたことについて深くおわび申し上げる。原因究明および再発防止策を講じ、同種事案を二度と起こさないよう努める」とコメントした。 市教育委員会は、警察からの連絡を受け午前9時10分ごろ、市立小中学校全65校に施設の安全確認や校舎外活動の中止、保護者引き渡しによる下校を呼びかけるメールを配信。根岸小、北稜中、白山台中をはじめとする少なくとも16校が対応を取るとした。午後1時半には隊員発見のメールを配信。保護者引き渡しによる下校を取りやめる学校もあったが、中居林小、下長小などは児童を保護者に引き渡した。 演習場に近い多賀連合町内会の階上金三郎会長は「今朝駐屯地近くを車で通った時、周辺にパトカーが10台以上止まっていて何だろうと思ったら、多賀小学校からのメールで隊員が行方不明と知り、びっくりした。隊員に何があったのだろうか」と話し、高館地区に住む50代女性は「市のLINE(ライン)では情報が来ず、昼のネットニュースで初めて知った。小銃を持っていると聞き、外に出るのが怖かった。市は『ほっとスルメール』以外にも近隣住民へ広報をしっかりとしてほしかった」と語った。