マカオの2024年8月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が5.1%まで上昇
マカオ政府金融管理局は10月3日、今年(2024年)8月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。 【マネーサプライ】 流通貨幣が前月から0.2%上昇、通知預金が3.2%減となり、M1は2.2%下落。また、準通貨負債は0.9%増。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.6%上昇し、金額は7689億マカオパタカ(日本円換算:約14兆0858億円)に。前年同月との比較では、M1が5.3%下落、M2が6.2%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが32.9%、香港ドルが45.0%、人民元が6.9%、米ドルが13.8%。 【預金】 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高が前月から0.6%上昇の7477億マカオパタカ(約13兆6975億円)、非居民による預金残高は6.2%下落の3176億マカオパタカ(約5兆8183億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高は2.3%増の1980億マカオパタカ(約3兆6273億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は0.9%下落の1兆2634億マカオパタカ(約23兆1448億円)で2ヶ月連続マイナスに。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ20.1%、44.2%、9.7%、24.6%。 【融資】 地元民間部門への融資は前月から0.7%減の5248億マカオパタカ(約9兆6140億円)。対外民間部門への融資は1.0%上昇の5349億マカオパタカ(約9兆7991億円)。民間部門へ融資額は合計で1.0%増の1兆0597億マカオパタカ(約19兆4284億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ21.3%、43.2%、14.0%、18.1%。 【預貸率/不良債権比率】 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年8月末時点で前月末から0.9ポイント下落の55.5%。非マカオ居民含む総体預貸率は0.9ポイント上昇の83.9%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ71.8%、58.5%水準。このほか、不良債権比率は0.4ポイント上昇の5.1%に。このところ不良債権比率は上昇が続いている。