NY外為市場=ドル上昇、ユーロはECB利下げ受け下落
[ニューヨーク 12日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。ユーロは欧州中央銀行(ECB)の利下げ決定を受け、やや下落。市場では、米国とその他の国との金利差は簡単には縮小せず、ドルの相対的な強さは維持されるとの見方が出ている。 終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.375%高の106.95。 米労働省が発表した11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比3.0%上昇。伸びは前月の2.6%から加速し、2023年2月以来最大となった。前日発表の11月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇。伸びは10月の2.6%から加速した。 CMEフェドウオッチによると、17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げが決定される確率はほぼ100%と、1週間前の約78%から上昇した。 コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は、FRBは0.25%ポイントの利下げを決定すると予想されているものの、0.5%ポイントの利下げを決定したカナダ銀行(中央銀行)のほか、スイス国立銀行(中央銀行)やECBなどの動向を踏まえると、米国との金利差は簡単には縮小しないと指摘。「ドルの相対的な強さは維持される」との見方を示した。 ECBはこの日の理事会で中銀預金金利を0.25%ポイント引き下げ、3.0%とした。域内の政情不安による経済成長への影響や米国との新たな貿易戦争のリスクを踏まえ、来年の追加利下げの可能性に含みを残した。 ユーロ/ドルは0.2%安の1.0473ドル。 ドル/円は152.525円にやや上昇。ロイターは12日、関係筋の話として、日銀内で追加利上げを急ぐ必要はないとの認識が広がっていると報じた。日銀短観やFOMCのほか、市場動向を見ながら最終的に判断するとみられる。 豪ドルは0.06%安の1豪ドル=0.6365米ドル。オーストラリア統計局が12日発表した11月の雇用統計は、就業者数が予想以上に増加し、失業率は予想に反して低下、8カ月ぶりの低水準となった。 中国人民元はオフショア取引で1米ドル=7.2772元近辺で推移。中国共産党と政府は12日、2025年の経済運営方針を決める中央経済工作会議で、景気底上げに向けて財政出動を拡大するとともに、金融緩和を行う方針を決めた。 ドル/円 NY終値 152.62/152.63 始値 152.17 高値 152.69 安値 151.81 ユーロ/ドル NY終値 1.0467/1.0468 始値 1.0502 高値 1.0520 安値 1.0465