シリア暫定政権の教育相「女子教育、規制せず」 ロイター報道
シリアの暫定政権のカドリ教育相は19日、ロイター通信のインタビューで「教育の権利は特定のジェンダーに制限されることはない」と述べ、女子教育を規制する考えはないことを明らかにした。暫定政権が保守的なイスラム主義に基づく政策を取ることへの懸念が残る中、穏健な姿勢を改めて示した形だ。 【写真特集】アサド政権崩壊後のシリアを歩く ダマスカスとその近郊 暫定政権は国際テロ組織アルカイダ系の組織を前身に持つ「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)が主導している。HTSはアルカイダとの決別を表明しているが、米国などは「テロ組織」に指定している。 ロイターによると、カドリ氏は「食料や水よりも重要だ」と、教育の意義を強調。シリアでは小学校は共学で、中学以上は男子校と女子校に分かれているが、こうした仕組みを変えることはないと語った。 アサド前政権下では、独裁体制を支えたバース党の歴史などを教えていた。首都ダマスカスの小学校の校長は17日、毎日新聞の取材に対し、暫定政権からこうした内容をカリキュラムから削除するよう求められたが、それ以外は特に規制されていないと明らかにしていた。 カドリ氏によると、シリアでは2011年に始まった内戦で、国内に1万8000校ある学校の約半数が被害を受けたという。暫定政権にとっては、こうした教育インフラの復興も課題となる。【カイロ金子淳】