“パワーの源”特製パン 卒業生・上村さん、明商部員に差し入れ /兵庫
<センバツ2019> 今春のセンバツに出場する明石商の卒業生で、パンの製造販売会社を営む上村豊さん(72)=明石市大久保町西島=は、大会の前後などに特製のパンを作って部員に差し入れている。ボリューム満点のパンで、センバツの前にも腕を振るうつもりだ。上村さんは「パンでパワーを付け、甲子園でも勝ち進んでほしい」と後輩の背中を押している。 上村さんがパンを差し入れるようになったのは2015年秋の近畿大会から。応援に駆け付ける保護者用にパンを作ってほしいと野球部OB会から頼まれた際、大会での活躍を期待して、まずは部員に振る舞おうと考えた。長さ約30センチ、厚さ約5センチのコッペパンにミンチカツとキャベツを挟む。全て手作りで、パンは自社工場で焼いた。おいしそうに食べる部員が感謝の言葉を伝えてくれるのがうれしく、それ以来、年に10回ほど差し入れるようになった。チョコレートを挟んだり、きなこをまぶしたりするなど、部員のリクエストにも応えた。 上村さんも中学時代は野球部だったが、打球が目に当たってけがをしてからは、ボールへの恐怖心が生まれて卓球部に入った。野球が好きなことに変わりはなく、就職後も仕事の合間に野球部の練習を見に行っていた。「いつか母校が甲子園に行けたらええなあ」と思っていたことが16年春と昨夏に現実となり、応援にも一層力が入るようになった。 センバツに向けて練習に励む清水良選手(2年)は「パンの生地にも甘みがあっておいしい。思い切ったプレーを見てほしい」と意気込む。上村さんは「前回のセンバツ8強以上を目指して、一つでも多く勝ってほしい」と話している。【黒詰拓也】 〔神戸版〕