頭痛持ちで「ロキソニン」を常備しています。申請すれば“節税”につながる制度があると聞きましたが、「市販薬」でも大丈夫ですか? いくら節税できるのでしょうか?
ロキソニンは処方箋を必要とせず薬局で購入できる薬で、多くの人が頭痛などを和らげる目的で常備しています。そんなロキソニンを含め、特定の医薬品を購入した場合、節税につながる「セルフメディケーション税制」という制度があります。 本記事ではセルフメディケーション税制の対象品目や、どれくらい節税になるのかについて解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
セルフメディケーション税制とは?
セルフメディケーション税制とは、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品および一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)の購入費用が高額になった際、一定の条件を満たせば医療費控除の特例として所得控除を受けられる制度です。 医療費控除は、1年間で自己負担した医療費が、自分と扶養家族の分を合わせて10万円を超える場合が対象です。 一方、セルフメディケーション税制では、薬局などで対象となる医療用から転用されたスイッチOTC医薬品を購入した際、年間購入額が合計で1万2000円を超え、かつ特定健康診査や予防接種など健康の保持増進や疾病予防の取り組みを行った人が医療費控除の特例を受けられます。 なお、セルフメディケーション税制は、元々は2017年1月1日から2021年12月31日までの期間限定で適用されていましたが、制度の見直しにより2026年12月31日まで5年延長されました。
ロキソニンを含め、セルフメディケーション税制の対象品目は数千点
セルフメディケーション税制の対象は、全ての薬ではありません。元々、セルフメディケーション税制の対象となる薬は、厚生労働省が定める特定の成分を含んだスイッチOTC医薬品2895点 (2024年10月1日時点)のみでした。「ロキソニンS」など、薬局で見かける多くのロキソニンが対象となっています。 そして、2022年1月1日から、非スイッチOTC医薬品も対象商品として追加されました。2024年10月1日時点における非スイッチOTC対象品目数は4265です。
セルフメディケーション税制でどれくらい節税になる?
「ロキソニンS」などのセルフメディケーション税制の対象品目を購入した場合、年間購入額が1万2000円を超えた額に、所得税率をかけた分と個人住民税率をかけた分が戻ってきます。なお、対象額の上限は8万8000円です。 では、課税所得400万円の人が対象医薬品を年間3万円購入した場合にどれくらい節税になるのか計算してみましょう。 年間購入額は3万円ですので、1万2000円を引いた1万8000円が課税所得から控除されます。課税所得400万円の人の所得税率は20%、住民税率は10%ですので、節税される金額は次の通りです。 (1万8000円×20%)+(1万8000円×10%)=5400円 3万円購入しても、その内の20%近くが戻ってくると考えると、かなりお得な制度といえるでしょう。 なお、セルフメディケーション税制を利用するには確定申告が必要ですので、期限内に所定の手続きをおこなう必要があります。