<ドラゴンズ・三好大倫選手>苦労人が崖っぷちでつかんだ大チャンス 父からの激励メッセージに思わず…
使い込まれた古い野球のグラブを「宝物です」と語る男性がいます。このグラブは、プロ野球選手になる夢を叶えた息子との思い出の品。その息子とは、中日ドラゴンズの三好大倫選手、26歳です。
三好選手は、ドラフト6位で入団し4年目。50メートル、5.8秒の俊足が売りの外野手ですが、これまで一度も1軍に定着することができず、プロの厚い壁に苦しんでいました。 崖っぷちの気持ちで迎えた今年。藁にもすがる思いでチームの大ベテラン大島選手に弟子入りしたのです。すると、今年のオープン戦で、得点圏打率がなんと5割に! 夢の開幕戦スタメンへ、苦労人がついに大きなチャンスを掴みました。
そんな息子を、父・正勝さんは遠く離れた故郷、香川県から見守り続けます。 小学2年生の頃、本格的に野球を始めた三好選手。野球経験者の父が監督をしていた地元のチームに加入すると、まさに親子鷹の関係に。それは今でも続いているそうで…。 三好選手の父 正勝さん: 「電話がかかってきますね、突然かかってきて『今日のバッティングどうだった?』とか(聞かれる)。私から『こうしなさい』とは言わない。プロの世界なので、監督もコーチもいる中なので、聞くだけです。頑張れよと」 中日ドラゴンズ 三好大倫選手: 「僕が小さい時から一番見ているのは父親なので、悪い癖とかは一番知っているので、頼っていますね」
息子にはあえて厳しく接していたという正勝さん。親子の側面をチーム内では決して見せず、三好選手も正勝さんのことは“コーチ”や“監督”と呼んでいたそうです。そんな2人が唯一「父と息子」に戻れた場所は、お風呂でした。 三好選手が小学生の間、お風呂は必ず一緒に入るようにしていたという正勝さん。お風呂場でいろいろな話をすることが、父親としての償いだったと語ります。 それでも三好選手はひたむきに夢に向かって努力し続けました。高台にある町のスポーツ施設が集まる公園で、いつも1人で走っていたそうです。姿が見えないときは大抵この公園で走っていたと、正勝さんは話します。