【京都金杯回顧】サクラトゥジュールを得意パターンへ導いたキング騎手 東京新聞杯勝ちの再現でコンビ2戦2勝
見直したい4着セオ、6着シャドウフューリー
2着ウォーターリヒトは昨秋東京マイルで連勝し、OP入りを果たしたようにこちらは左回りで再浮上を果たした。シンザン記念3着、きさらぎ賞2着と元値が高いが、どちらも上がりを要する競馬であり、今後も軽いレースよりは我慢比べになる形がいい。特に重賞で単勝を買うなら、展開の見極めがカギだろう。 ドレフォン産駒はジオグリフ、ワープスピード、デシエルトなど粘りを身上とするタイプが目立つ。ウォーターリヒトは脚質が真逆なので、賞金上位馬たちと比べると、もう少し好走条件が多い。レースを選ぶタイプだからこそ、買う側もよく吟味したうえで取捨したいところだ。 3着ロジリオンはNHKマイルC3着、富士S3着と明らかなサウスポー。というより、デビュー以来右回りへの出走がない。徹底した左回り狙いがここでもい生きた。先行勢が踏ん張れない流れだったので、4コーナー3番手から食い下がったロジリオンは次走以降、もっと評価していい。 母ビービーバーレルはパイロ産駒らしい粘り腰があった。ロジリオンもその特性を受け継いでおり、父リオンディーズも芝ダート兼用型の種牡馬なので、ダートに矛先を向けても面白いのではないか。 4着同着セオも流れを考えれば健闘した。序盤、一旦はハナに立ったものの、セルバーグに奪い返される形に。崩れてもおかしくない形だったが、直線では先頭に立つ場面をつくった。徹底先行型不在のマイルか1800mで改めて狙ってみたい。 6着シャドウフューリーは流れとしては絶好の形だったが、坂をあ上がった残り200mでしんどくなった。戦歴通りベストは左回りの1400m。目標が限られてしまうが、重賞がないわけではない。きっちり適距離で仕留めてほしい。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳