成長できていない…。レンタル先で苦しむJリーグの逸材(4)ずっとベンチ…。元スーパー高校生がJ2で苦戦中
今季のJリーグも残すところあとわずか。多くの若手選手が元のクラブを離れ、自身の成長のためにレンタル移籍先で戦っている。しかしすべての若手が順風満帆ではなく、苦労のさなかにいる選手も多い。今回は加入先で苦しんでいるJリーグの逸材選手を紹介する(スタッツは11月3日時点のデータサイト『transfermarkt』を参照)
MF:松本凪生(まつもと・なぎ) 生年月日:2001年9月4日 保有元クラブ:セレッソ大阪 レンタル先クラブ:モンテディオ山形(J2) 今季リーグ戦成績:14試合0ゴール0アシスト 9月に23歳の誕生日を迎えた松本凪生は、世代別の日本代表に度々名を連ねてきた。しかし近年、同選手は定位置を確保できずに苦しんでいる。 セレッソ大阪の下部組織で育った松本は、プロ入り前から注目されていた。セレッソ大阪U-23(当時J3リーグ所属)で経験を積み、高校生の時点でプロとの試合で研鑽を重ねていた。2020年にトップ昇格を果たし、正式にプロキャリアをスタートさせた。 その後はレンタルで各クラブを回ることになる。2021年2月には栃木SCに、翌2022年2月にはヴァンフォーレ甲府にレンタル移籍する。2023シーズンも甲府でプレーし、J2リーグだけでなくAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でもピッチに立った。 栃木でも一定の存在感を示せていたが、今季からローンで加入したJ2のモンテディオ山形では思うように出番を得られていない。ここまでリーグ戦14試合に出場しているが、3月24日のいわきFC戦以外はすべてベンチからのスタートだ。 さらに気がかりなのは、ベンチに入る回数も徐々に減ってきている点である。9月28日のヴァンフォーレ甲府戦から11月3日の水戸ホーリーホック戦までの直近5試合でスカッドから外れた。リーグの序盤から出番は限られていたが、後半にかけてピッチに立つ機会はさらに減少傾向にある。 しかしクオリティを示せていないかというと、そうではない。データサイト『Sofascore』によると、3月のいわき戦の松本はパス成功本数においてチーム内2位の数字を誇っており、インターセプトやシュートブロックの面でもチームに貢献していた。 年齢的に悠長なことを考えている余裕はないかもしれないが、きっかけひとつで定位置を確保できそうな予感もある。
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