「ハリスはマレー系」トランプ側の主張にマレー外交「教えてくれてありがとう」
米国大統領選挙遊説で、カマラ・ハリス副大統領はマレーシア系だというドナルド・トランプ前大統領側の虚偽の主張にマレーシアの外相が「教えてくれてありがとう」と皮肉交じりのメッセージを出した。 30日、マレーシア英字新聞「The Star」などによると、モハメド・ハサン外相はこの日自身のフェイスブックに「マレーシア人が米国大統領選挙に出馬したことを知らずにいた」と記した。 あわせて「カマラ副大統領が勝利すれば彼女を故国に盛大に招いてナシゴレン(伝統チャーハン)を味わってもらえるようにしたい」と付け加えた。 モハメド外相は「マレーシアを口にするな、タッカー・カールソン」という題名の現地メディアのコラムも共有した。コラムは「カールソンが地図からいくつかの名前を選び、若干の固定観念を加えて演説に投げ入れた」とし「当惑してあきれる一方、とても笑わせてもらった」と指摘した。 コラムはマレーシアのSNSなどでもカールソン氏の不正確な主張が話題になっていると伝えた。 これに先立ち、27日(現地時間)米国ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開かれたトランプ氏の遊説に賛助演説者として登壇したタッカー・カールソン氏(フォックスニュース司会者)はハリス氏を「サモア・マレーシア系であり、低い知能を持ったカリフォルニア州検事」と表現した。カールソン氏はトランプ氏の最側近ジャーナリストだ。 マレーシアのある放送局も2020年10月米国大統領選挙の結果を報じながら、当時副大統領に当選したハリス氏に対して「不法移民者の娘」と間違って表現して非難を受けたことがある。 当時「マレー・メール」などによると、マレーシアのテレビ3のキャスターは、8日午後1時30分ニュースを進めながらハリス氏を「インド出身の不法移民者の娘」と称して、「黒い肌の女性」と肌の色に何度も言及した。 ハリス氏はアフリカ系ジャマイカ移民者出身の父親とインド移民者出身の母親の間に生まれた。 父親はスタンフォード大学経済学教授であり、母親もがん研究者だった。母方の祖父はインドで米国の国務長官と同じ政府職責を務めたエリート官僚出身だ。 特にハリス氏の母親シャマラ・ゴパランさんはインド最上位階級バラモンで、19歳の時だった1958年UCバークレー大学栄養学科内分泌学修士課程に合格してインドから米国に渡っていった。 トランプ氏は7月、全米黒人ジャーナリスト協会(NABJ)の行事では、ハリス氏が自身をインド系としていたのに数年前から突然黒人だと主張したとして人種アイデンティティに疑問を投げかけた。 しかし、ハリス氏は自叙伝などで人種アイデンティティをはっきりと明らかにしているため、トランプ氏の発言は人種をわざわざ印象づけようとする攻撃だという批判を受けた。